ようかい体操第二/ざしきわらし第三回/ロボニャン先生

ニコニコ動画の「テレビ東京あにてれちゃんねる」(http://ch.nicovideo.jp/ch7)内の「妖怪ウォッチ」チャンネル(http://ch.nicovideo.jp/youkai-watch)で最新の第六十八話の配信あり。
今回から、エンディング主題歌も漸く一新された。ツチノコパンダの仲間のニャーケービーとか云う変な連中が終わり、再びDream5が歌う「ようかい体操第二」が始まった。何ともフラフラした感じの歌だが、そこが心地よくもある。大勢の妖怪が登場するのも良い。
ざしきわらし第三回。座敷童といえば子供であると思われるし、この「妖怪ウォッチ」でも子供の姿をしているが、実は必ずしも子供ではないらしい。少なくとも今回登場した「どんな時も命がけのざしきわらし」には妻子がいる。第一回に登場した神経質な座敷童や第二回のミリタリー座敷童に比較すると少々不器用な座敷童で、広大なカンチの邸宅で傷だらけになりながら懸命に奮闘しているが、挫けそうになる心を支えるのは家族への思い。その一点では泣ける話にもなってはいるが、多分、神経質な座敷童であれば傷だらけになることもなく無難に業務を遂行できていたろう。
それにしても、この話を見ていて感じるのは、ケータとカンチとクマの関係を「ドラえもん」に例えるなら、外見に反してケータがジャイアンのように見えてくるということ。
今回の懸命の座敷童はケータからもクマからもカンチからも山口美佳(さくら第一小学校五年二組の女子)からも散々な目に遭わされてしまったが、その間、一貫してカンチのために働いている。カンチの家に憑いた座敷童はカンチのために頑張らなければならないらしいと判る。だから「ミッション・ファイナル」でも、カンチに利益を誘導しようとしていたのだ。
妖怪魔ガサスの事件。ペガサスのような姿をしているが、「魔が差した」と云われるような事件を引き起こす迷惑な妖怪。憑かれたフミカは警報機を作動させようとしたところをジバニャンに阻止され、ケータもフミカの身体に触れようとしたところをジバニャンに阻止されたが、フミカとケータそれぞれがニャーケービーのポスターに落書をすることを、ジバニャンは阻止できなかった。妖怪パッドに悪戯をされたウィスパーが魔ガサスを退治すべく妖怪ウォッチで誰か適当な妖怪を召喚することをケータに要請したとき、ケータが呼び出したのはどういうわけか全く使い物にならなさそうな人面犬。これも魔ガサスの仕業だった。結局、一番の被害者は人面犬ではなかったろうか。
モノマネキンがケータになり済ましていた事件。これを仕掛けたのはモノマネキンの師であるロボニャン。第四十四話でロボニャンの門人になったモノマネキンは、修業の結果、ロボニャンと同じように、相手の容姿と声をほぼ完全に複写できるようになったらしい。唯一似ていない点は目の形。ロボニャンによる容姿の複写は完璧だが、モノマネキンによる複写では目がモノマネキンの目の形をしている。しかし容姿と声だけは複写できても言動までは複写できないようで、モノマネキン本来の悪フザケをどうしても出してしまう模様。そこでロボニャンは、卒業試験としてモノマネキンに対し、ケータになり済まして学校で生活して周囲の人々に受け容れられるように振る舞うべしという使命を課した。結果、悪フザケを連発するケータが出現していた。
ケータを「あり得ない位、普通な奴。キング・オブ・普通。むしろ詰まらない奴」と形容して、そんな普通な奴を演じようとしながらも全く演じることができていなかったモノマネキンを、ロボニャンは合格と判定した。ウィスパーもそのときは「執事である私の眼から見ても見事に普通なケータくんでした」と称賛していたが、翌朝には「物真似としては全く似ていませんが」と述べていた。
この事件で最も非道いのは、モノマネキンによる偽ケータが皆に喜ばれて学級の人気者になってしまったこと。しかし現実にもそのような現象はあり得る。物真似芸人による酷い物真似が好評を博したことで、世間から忘れられて消えかかっていた古い芸能人が復活してしまう事例を想起すれば良い。この場合、本物は偽者に便乗して生きてゆくため、物真似の物真似をせざるを得なくなってしまうわけだが、もちろんケータはモノマネキンの路線には乗りようがないに違いない。
今回、学級内でモノマネキンの様子をロボニャンとケータが見守る場面で、窓際の最後尾の席に坐している木村守(「マモルくん」)の顔が大きく映った。これは意外に珍しいかもしれない。木村守やダニエル・アンダーソンの活躍も少し見てみたい。
話の最後、モノマネキンがポーズを決めた直後、ケータが似たポーズを取ったところで新しいエンディング主題歌「ようかい体操第二」が始まったのは上手い繋げ方だった。高野洸の台詞がケータの台詞になっていた。