仮面ライダードライブ第二十九話

平成仮面ライダー第十六作「仮面ライダードライブ」。
第二十九話「強盗事件で本当はなにがあったのか」。
警視庁特状課巡査の泊進ノ介(竹内涼真)は仮面ライダードライブとして出動した銀行強盗殺人事件の現場で唐沢ゆかり(小泉ここ)を救助したが、この人は十二年前にも銀行強盗殺人事件に巻き込まれていた。その現場に客として偶々居合わせていたのが泊進ノ介の亡き父、当時は警視庁の警部補だった泊英介(たれやなぎ)。休日であっても刑事としての使命感を忘れることのない彼は、強盗に撃たれようとしていた少女を庇い、代わりに撃たれた。それで殺人を犯した強盗が、根岸逸郎(福井博章)。刑務所から出た彼は今、ロイミュード067との融合進化体となって再び銀行強盗を連発し、唐沢ゆかりも再び巻き込まれた。泊進ノ介にとっては運命の事件であると云うほかなく、事件の真相を知るべく奮起するのも当然だろう。
前回の事件で詩島剛(稲葉友)を見舞った状況と似てはいるが、今のところ、泊進ノ介を動揺させて興奮させている今回の状況は必ずしもロイミュード001=真影壮一(堀内正美)の仕組んだ罠ではないように見受ける。それどころか、今回の現場に唐沢ゆかりが居合わせたのは偶然の結果であるのかもしれない。なぜなら唐沢ゆかりはロイミュード067の標的にはなっていない様子であるから。
そもそもロイミュード067は事件を実行しているだけで、計画しているわけではないらしい。彼に計画を告げているのはロイミュード003=ブレン(松島庄汰)であり、ブレンは多分、真影壮一からの指示に従っているだけだろう。狙いは十二年前の事件について真相を抹消し、改竄することにあるように見える。事実を改竄するため、根岸逸郎とその子分だった丸谷慎吾(中谷竜)の記憶については既に改竄していたようだが、その改竄の効果も漸く薄れつつある中で、今回、さらに被害者を殺害し、丸谷慎吾をも殺害することで、真相を闇に葬り去ろうとしているらしい。
ロイミュード001にとっては完全に抹消しないわけにはゆかない不都合な真実があるのだろう。それを泊進ノ介が明らかにするのは次週のことだろうか。
マッハ=詩島剛は今はロイミュード001とブレンの陣営に寝返った状態だが、記憶を改竄されたからではなく、ブレンによって見せられた何かによって、何か思うところあったからだろう。しかし無論、それはロイミュード001の側に加勢することを正しいと思ったからではなく、ロイミュード001の側に暫くは身を置いておくことを有効であると思ったからだろう。何を見せられて、何を思ったのだろうか。
仮面ライダーチェイサー=チェイス上遠野太洸)が堂々「仮面ライダーの使命」を語り、ドライブ=泊進ノ介がそれに共感している中、現状では詩島剛はどこからどう見ても悪役そのものだが、多分、悪役のまま終わるわけではないに相違ない。
ロイミュード001に仕えることで居場所を見付けたブレンは、ロイミュード002=ハート(蕨野友也)に久し振りに声を掛けられて喜んだが、ハートの陣営にはロイミュード009=メディック(馬場ふみか)が居座っていることを思い出して、メディックがいる限りハートの陣営に戻る意がないことを伝えた。ロイミュードロイミュード同士で仲良くなれないでいることをハートは悲しんだが、そもそもブレンに喧嘩を売って決別の原因を作ったのはメディックの側である以上、ブレンにだけ仲直りを求めても意味がない。ハートは原因を認識できていないのではないのか?とも疑われるが、多分、むしろハートの中でメディックに対する信頼よりもブレンに対する信頼が大きいからこそ、ブレンにだけ多くを求めてしまうのだろう。