仮面ライダードライブ第三十話

平成仮面ライダー第十六作「仮面ライダードライブ」。
第三十話「真犯人を語るのはだれか」。
警視庁特状課巡査の泊進ノ介(竹内涼真)はロイミュード067=根岸逸郎(福井博章)の攻撃から再び唐沢ゆかり(小泉ここ)を守った。その瞬間、唐沢ゆかりは十二年前の銀行強盗事件で己を守ってくれた泊英介(たれやなぎ)の姿を、その遺児、泊進ノ介に重ね合わせた。そして事件の解決後、泊進ノ介は唐沢ゆかりから十二年前の事件における隠された事実を明かされた。その現場にはロイミュード001がいたという事実を。
この事実に丸谷慎吾(中谷竜)の証言を合わせるなら、狙撃した真犯人も実は根岸逸郎ではなく、ロイミュード001だったと見られる。
さらに、仮面ライダーチェイサー=チェイス上遠野太洸)が記憶を取り戻したことで、もっと重要な事実が明らかにされた。ドライブに先行する最初の「仮面ライダー」だったプロトドライブは三人の反乱ロイミュードによってロイミュードの仲間へ改造されていた。改造を発案したのは意外にもロイミュード002=ハート(蕨野友也)で、ロイミュード003=ブレン(松島庄汰)はその安全性に疑問を感じて狼狽していたが、ロイミュード001は喜んで改造を執行した。しかもそのロイミュード001の人間体が警察組織を支配する国家防衛局長官、真影壮一(堀内正美)に他ならなかった。
こうして今、ドライブ=泊進ノ介の敵は、親の仇でもある真影壮一と見定められた。そのことがどのような展開へ通じるのかは次週を待つしかない。
それにしても、チェイスが詩島霧子(内田理央)に本当のことを伝えなかったのはどのような思いによるのだろうか。マッハ=詩島剛(稲葉友)の最近の余りにも不審な言動に予て疑問を感じていたチェイスは、詩島剛がロイミュード001によって記憶を改竄されているのではないかと気付き、そのことを確かめるべく詩島剛に接触し、戦うフリをしてその耳の裏にある傷跡を確認し、己の推測が当たっていたことを知った。しかるにそのことを詩島霧子に告げるべきかどうか一瞬だけ悩んだ挙句、傷跡がなかったと嘘をついた。ロイミュード陣営に記憶を操られているわけではないということは、敵陣の一員になったわけではないということであり得る。詩島霧子にそのように伝えることで、余計な心配をかけたくなかったのかもしれない。だが、もしロイミュード陣営に操られているわけではないとしても、詩島剛がロイミュード陣営の一員として行動しているという現実は覆され得ない。なぜ敵陣に付いて味方を攻撃するような真似をするのか、説明できないのではないのか。泊進ノ介や詩島霧子の言動に接して「家族」が大切であることを知ったチェイスは、詩島霧子のその思いを傷付けたくないと考えたのだろうが、むしろ、最近の詩島剛の不可解な行動が全てロイミュード001の仕業であることを先ずは明かした上で、一刻も早くロイミュードの手から彼を奪還すべきであると語る方が適切ではなかったろうか。しかし、チェイスのこの判断の正しさは今後の展開の中で明らかにされてゆくに相違ない。