仮面ライダードライブ第四十七話

平成仮面ライダー第十六作「仮面ライダードライブ」。
第四十七話「友よ、君はだれに未来を託すのか」。
ハート(蕨野友也)はドライブ=泊進ノ介(竹内涼真)とともに「シグマ」を倒したが、ロイミュード唯一の生き残りとなっていた。しかも度重なる戦闘中の致命傷によって機械生命の限界に来ていることを自覚していた。そこで、予て最高のライヴァルであると黙していた人間=泊進ノ介と戦って最期を迎えることを望み、泊進ノ介もハートの意を察して、敢えて変身することなく人間体のまま迎えようとしたが、激突の直前、ハートは力尽きた。この瞬間、ハートは人間の「友達」を初めて持つことができた。
彼にとって「友達」とはロイミュードであり、しかるにそれは、もともと決められた数しか存在しないばかりか、戦闘の中で徐々に減少してゆくしかなかった。増えることはあり得ないはずだったが、泊進ノ介は定数を超える新たな友であり、このとき初めて数が増えた。しかもロイミュードではなく、敵であるはずの人間が初めて友になった。ハートはそのことを喜びながら、静かに消滅した。
一年間、この物語の第二の主人公、否、むしろ裏の主人公としてハートを見てきた者にとっては実に納得ゆく綺麗な終焉だった。
後半には、チェイス上遠野太洸)によく似た警察官が登場。チェイスのコピー元だったらしい。名を「狩野洸一」と云い、極めて生真面目で、ルールを何よりも尊重し、他人と馴れ合うことに不得手で友達はいない。チェイスと狩野洸一の相違点は声の高さだけだろうか。
機械生命体事件は無事解決し、警視庁特状課は解散したが、名実ともにその責任者だった本願寺純(片岡鶴太郎)は難事件解決の功績を認められてその後も数々の難事件に取り組み、昇進を重ね、ついには警視副総監にまで昇り詰める由。追田現八郎(井俣太良)も警視庁捜査一課長に昇進するが、沢神りんな(吉井怜)に至ってはノーベル物理学賞を受賞する予定であるとか。視聴者に対して、ヒーローというのは並の人間とは違うのであるということを突き付けるかのような結末ではある。