旅行記一/仕事のあと夜間開館の名古屋市美術館ラファエル前派展

旅行記一。
仕事のため名古屋へ行く日。朝六時頃、出立のためタクシー会社に電話をかけたところ、早朝には一台もない由だった。仕方ないので先ずは外出。道後温泉駅へ行けば、確かに「予約車」と表示された一台しかなかった。駅には六時二十六分発のJR松山駅行の市内電車が停車していたので、迷いながらも乗車。時間を要したので焦ったが、六時四十分には松山駅へ到着。急ぎ乗車券等を買い、七時二十分に出立。岡山駅で新幹線に乗り換え、十一時五十六分、名古屋駅へ到着。地下鉄の東山線伏見駅へ行き、駅から徒歩数分間の位置にあるホテルへ荷物だけ預けて、コンヴィニエンス店でオニギリ等を買い、公園で急ぎ昼食を摂ってから、昼一時前には今日の仕事場へ入った。仕事は夕方五時で終了。
五時二十分に仕事場を出て、急ぎ白川公園「芸術と科学の杜」にある名古屋市美術館へ。今日は金曜日で夜間開館の日。夜八時まで空いているので、十二月十三日まで開催されている「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」を鑑賞。流石に夜間ということで客も少なく、実に快適だった。第一章のあと急に第四章へ飛び、第二章へ戻って第三章へ終わるという順番になっていたので少々驚いたが、最後まで見終えて納得。第三章は風景画の章で、出品されていた作品の多くが水彩画だったから、照度を落とさなければならないので、最後の狭い空間へ隔離したのだろう。他にも展示空間の配置の事情もあって、章の順番を入れ替えることになったのだろうと想像されるが、結果として、ラファエル前派の歴史を概観したあと、古代を主題にした作品、風景を主題にした作品を観るという形になっていた。第四章の、バーン・ジョーンズの《連作〈いばら姫〉最初の場面《眠れる騎士たち》の習作》は、習作ならではの大胆な筆致が魔法をかけられて永遠に眠る騎士たちの苦悶の裸体をミケランジェロ風に描き出していて、最も迫力があった。第二章の、フレデリック・レイトンの《《ダフネフォリア》のための習作》、《ペルセウスアンドロメダ》。ドレイパーの《イカロス哀悼》は、有名な大作の習作だが、なるほど完成作かと一瞬勘違いする程の完成度。見終えたあと、地下一階で常設展示も鑑賞。藤田嗣治とエコール・ド・パリ、メキシコ・ルネサンスのコレクション展もそれぞれ見応えがあったが、「やまと絵」特集における前田青邨の《宿場》と《修羅道》、林雲鳳の《松の下露図》、森村宜永の《合戦図》、山田秋衛の《竜宮城図屏風》、そして何と云っても石川英鳳の《葵の上》が面白かった。葵上を苦しめる悪夢の中では、あの車争いの日に六条御息所を虐めた奴等が崖から落とされ、地獄へ落ちているのだろうか。一階の売店にも寄ったあと、美術館を出たのは夜七時三十分頃。
まずはホテルへ入り、荷物を置いてから外出して夕食。戻り、宿泊室で寛いでいる内に寝てしまい、起きたのは深夜一時半頃。ホテルが夜九時半から十一時まで無料サーヴィスをしている夜鳴蕎麦を食べ損なって残念。ニコニコ動画でニュース解説レイディオ番組と「妖怪ウォッチ」最新話を見たあと再び見て、起きたのは翌朝七時十四分。大浴場へ行く余裕がなさそうで残念。ゆえに十月十七日午前八時二十分に記之。「妖怪ウォッチ」感想を書くのは明日の夜以降。