映画ハイ☆スピード!

一月五日の昼、衣山シネマサンシャインで映画「ハイ☆スピード! Free! Starting Days」を鑑賞したとき、画も話も実に美しい作品であると感じて、できれば一度か二度か見直したいと思っていた。今宵あらためて鑑賞して、やはり、画も話も実に美しい作品であることを再確認し得た。
素直ではない心理は少年男子の心理としてはむしろ素直であるし、海辺にあるやや古めかしい街と家並は、神話のような物語の舞台には相応しい。そして物語はどこまでも清らかで、まさしく心が洗われる。少年たちが泳いでいる姿とその動作を水中から捉えた画の流麗な生動は無論のこと、それぞれに個性を見せる少年たちの歩く姿をはじめ、どの仕草にも表情にも姿形にも魅了されるが、特に良いのは、主人公の七瀬遙と橘真琴が着衣のまま夜のプールで遊泳する場面。あまりにも優しい美しさに圧倒される。涙が出る。これを観たくて、再び観に来たと云えるのかもしれない。
それにしても、前回の鑑賞時に比較して今回の方が来場者が増加していたようだった。そして今回の来場者はテレヴィアニメ「Free!」には親しんでいながら映画を観るのは初だった人々も多かったのか、竜ヶ崎怜の登場に「怜ちゃん!」と歓声が上がったり山崎宗介の登場に「宗介!」と驚きの声が漏れたりしていて、なるほど、「Free!」の物語に通じた人々の反応を垣間見ることができたのも面白かった。
果たして、もう一度位は観に来ることができるのだろうか。