旅行記三/浅草寺大絵馬寺宝展&伝法院庭園拝観/国立博物館

旅行記三。
朝、起きたのは八時前。荷物をまとめて宿泊室を引き払い、昨日までに集めた図録類の発送を手配した上でホテルを退出。雨が降っていた。
銀座線の浅草駅のコインロッカーへ荷物を預けてから浅草寺へ行き、五重塔の脇にある絵馬堂(宝物館)で大絵馬を鑑賞。予州今治出身の沖冠岳筆に成る巨大な絵馬《四睡》は今回も堂々としていた。柴田是真や菊池容斎の筆が滑らかに簡潔であるのに比して異様に粘り強さがある。急ぎ見終えたあとには伝法院の庭園も拝観。接待の煎茶を頂戴しながら枝垂れ桜を眺めた。「国指定名勝伝法院庭園特別拝観と大絵馬寺宝展」は五月九日まで開催中。見終えて駅へ戻る途上、伊藤園の出店で煎茶を頂戴したので、ここでしか販売していないらしい雷門デザインの茶筒の茶葉を購入。気分が良かったので仲見世を歩いていたところ、妖怪クッキーというものがあり、その包み紙には、鼠小僧に扮したジバニャンや団扇を掲げるコマさん&コマじろう兄弟、神輿を担ぐケータやオロチ、万尾獅子、メラメライオンが浅草の仲見世を練り歩き、彼方にはスカイツリーと化したウィスパーが見えるという楽しい絵が描かれていて、欲しかったが、大きくて重くなりそうだったので諦めた。扇子の店で今夏にも愛用してみたい涼しげな扇を購入。舞を始めてどれ位か?と聞かれて、全く始めようともしていないので焦った。
コインロッカーの荷物を引き取り、銀座線で上野駅へ。JR上野駅のコインロッカーへ荷物を預けてから上野恩賜公園へ。東京国立博物館で昨日から開幕した展覧会「生誕150年 黒田清輝 近代絵画の巨匠」を鑑賞。あらためて多くの作品を鑑賞してみて、黒田清輝も実に立派な画家だったと再認識できたが、それ以上に、師のラファエル・コラン、ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ、そして何よりも敵陣の浅井忠の素晴らしさをこそ再認識してしまった。鑑賞し終えて、図録を購入。最近は展覧会場オリジナル包装紙のチロルチョコを販売するのが流行しているのか、昨日も確か二箇所でチロルチョコを見かけたが、今日も黒田清輝の自画像を包装紙に用いたチロルチョコを見た。買わなかった。平成館二階から一階へ降りて、講堂前の鶴屋吉信で「つばらつばら」の桜の餡と抹茶の餡をそれぞれ一個。暫し寛いだあと本館へ。近代絵画展示室には大智勝観の二曲屏風一双。塩川文麟の吉野山今村紫紅の熱国巻。売店で図録数冊を購入。手荷物が重くなった上に既に昼二時半を過ぎていたが、大急ぎ二階の近世絵画室や屏風室、水墨画室、国宝室を回った。今日の国宝は渡辺崋山筆《鷹見泉石像》。
三時十五分頃に慌てて博物館を出て上野駅へ急ぎ、コインロッカーの荷物を取り出し、買ってきた図録類をそこへ何とか押し込んで出立。浜松町駅東京モノレールへ乗り換えた。発車前に飛び乗ったのに座席を確保できて、しかもそれが空港直通の急行便だったことに感激した。それで四時十五分頃に羽田空港に到着し、四時五十五分発の飛行機に搭乗するまでの間に、暫し寛ぐだけの余裕があったのも幸い。松山空港からはリムジンバスで道後温泉まで戻り、大型食料品店に寄って帰宅。昨日、秋葉原で入手した「Free!」七瀬遙ポケットティッシュカヴァーを明日から早速使用することにしよう。