マギ-シンドバッドの冒険第十五巻&マギ第三十五巻

 懸案の遠出の仕事の計画を決めて少し安堵。夜七時から南堀端と西堀端の接点なる店で小会。九時半頃に散会し、電車を上一万駅で降車して大学近い食料品店でバナナを買って帰宅。
 そして深夜、先日購入しておいた大高忍原作/大寺義史漫画『マギ シンドバッドの冒険』第十五巻と大高忍『マギ』第三十五巻を二冊まとめて一気に読んだ。
 大高忍原作/大寺義史漫画『マギ シンドバッドの冒険』第十五巻。
 これは大冒険の途上にあり、しかも大冒険における最悪の事件が生じる直前であるのだろうことは、『マギ』における当事者等の発言から予想される。ゆえに今のところは何か希望があるかのように感じさせる描写もあり、動きも流れもあってそこに楽しみもあり得る。
 大高忍『マギ』第三十五巻。
 これが物語の終焉へ向かいつつある局面であることは今までの流れから感じられるし、なるほど、もはや物語には何の広がりもなくなっている。今までの物語を彩ってきた大勢の人々には出る幕もなく、登場人物は少数に絞り込まれている。ここに残っている数人が真の主人公たちだったのであると云えるが、困ったことに主人公たちは延々議論を続けているに過ぎない。議論、討論で話を続けるのは『マギ』と『マギ シンドバッドの冒険』が共有する性格ではあるが、この第三十五巻は本当に議論、討論しか描いていないと云うも過言ではない。その議論には言葉遊びの面白味があるが、ドラマがあるとまで云えるかどうか。作者自身には結末が見えているのだろうか。本当に不思議な物語になっていると改めて感じる。