義経

NHK大河ドラマ義経」。滝沢秀明主演。第六話。
今週もまた六波羅第における会議の場が面白かった。主宰は平時子松坂慶子)。平宗盛鶴見辰吾)・平知盛阿部寛)・平重衡細川茂樹)が参集した。遮那王滝沢秀明)対策についての検討会。ここで三兄弟間の温度差が露呈した。少年時代の重衡(岡田慶太)や知盛(森聖矢)は幼時の牛若(神木隆之介)と遊んだ仲間だっただけに、今でも彼ら二人には、牛若=遮那王が平家に挑んでくるとは想像もできなかったが、宗盛は遮那王への敵意を明らかにした。宗盛が平家内随一の強硬派であるとは意外だが、この予想外の性格付けは少年時代の宗盛(伊藤隆大)が抱いた牛若への憎しみによって了解される。かつて相国(渡哲也)の愛が実子の宗盛にではなく他人の牛若に注がれたということ。そのことによる心の傷が今の宗盛の強硬姿勢を生じているのだ。
それにしても北条政子の役に財前直見を起用するとは見事に的確な人選だと云える。この人なら、のちに後鳥羽院に歯向かい関東武士を奮起させることになるのも充分納得できる。中井貴一の演じる源頼朝は今は飄々と(「くねくね」と!)してはいるが、のちには現実政治家としての冷徹な知性に徹するようになるだろうことも既に充分に想像できて、やはりよい人選だと思う。
そして次回ついに源九郎義経滝沢秀明)が奥州へ出立。それに武蔵坊弁慶松平健)や喜三太(伊藤淳史)が合流して主従が形成されるのか。見逃せない。