タイガー&ドラゴン

TBS系ドラマ「タイガー&ドラゴン」。宮藤官九郎脚本。長瀬智也主演。第二話「饅頭怖い」。
何と云うか先週の第一話「芝浜」の末尾十分間の上手さが卓抜だったのに比べると今宵の末尾十分間には大して感心しなかった。このドラマの面白さというのは基本的に爆笑する類のものであるよりは感服する類のものであるから、末尾十分間に呈示される落語パロディが上手く行かないことには全体として面白くなかったことになってしまう。その意味で今宵のは期待した程には大して面白くなかった。次週に期待したい。
ともあれ山崎虎児(長瀬智也)は見るに値するし、林屋亭どん兵衛西田敏行)も落語の部分では駄目だが、それ以外は流石に心惹く。ことに噺家修業中の虎児が弟子から取立て屋へ突然豹変したときの林屋亭どん兵衛の狼狽する表情が最高に面白い。ヤクザ噺家の山崎虎児は常に無愛想な一本調子で行動するが、その水面下に確かに熱情が燃えているのを感じさせるところがよい。また、早くも山崎虎児を贔屓にしてしまっている蕎麦店主人の辰夫(尾美としのり)・おでん屋台の半蔵(半海一晃)・喫茶店『よしこ』ママ(松本じゅん)トリオなど客席に並んでいるだけで笑える。
気になるのは、今宵の第二話に関する限りタイガー&ドラゴンのドラゴン=谷中竜二の役割が極度に縮小していたことか。縮小どころか、恐らく彼がいなくともドラマに支障はなかったろう。準主人公であるはずなのに実のところは無理に登場しているようにさえ思えた。どういうことだろうか。
序でながら一言。TBSの磯山晶には「人の心ってもんがない」。