内館牧子の汚れた舌

TBS系ドラマ「汚れた舌」。内館牧子作。第五話。
江田典子(松原智恵子)決起!ついに宿敵の白川隆一郎(藤竜也)を盗んだ包丁で刺殺か?と思ったら軽く失敗。夫の敵の白川が娘の江田千夏(飯島直子)と交際しているのではないかと疑う根拠としての、写真週刊誌の「四天王展」記事を差し出したものの、やはり軽く退けられた。大きな虫眼鏡を持参しなかったのは敗因ではないようだ。ともかくもこれを機に典子は重症の刃物恐怖症になってしまった。特技は料理だったのに、これでは料理は二度と無理だろう。今後どうするのだろうか。
他方、涼野弘子(森口瑤子)実子の涼野光哉(田中圭)も動き始めた。弘子と喧嘩して落ち込んでいた涼野杏梨(牧瀬里穂)に接近し、慰め、抱き締めたのだ。
もちろん弘子の謀略も絶好調。杏梨の大切な友人たちとの会に出席していた涼野耕平(加藤浩次)をわざわざ途中退席させて遠方まで呼び出した挙句、千夏と引き合わせることに成功。両名が早くも不倫の関係に発展しつつあることを知っての所業だ。だが、真の恐怖はそのあとに来た。不吉の気配を感じていた杏梨は耕平を尾行してきたらしいのだ。広々とした花畑の彼方に花に囲まれて立つ杏梨の、世にも恐ろしい表情。まさしく牧瀬里穂一世一代の名演技だったと評してよいだろう。