仮面ライダー響鬼

テレビ朝日系“スーパーヒーロータイム”ドラマ「仮面ライダー響鬼」。細川茂樹主演。十八之巻「挫けぬ疾風」。
前回に続いて威吹鬼=イブキ(渋江譲二)の戦い。敵は東京の地下に潜んでいると判明した「魔化魍」オオナマズの胃袋。だが、これはイブキが幼馴染みの(そして片想いの)立花香須実(蒲生麻由)と一緒に買物デートを楽しんでいた途中に突然、偶々始まった戦闘だっただけに、彼の自慢の武器=音撃管「烈風」を携えていなかった。変身はできても武器がない。だから自らの手と足と全身だけで戦わざるを得なかった。その故に先週から今週にかけての二話には見応えがあったと思う。戦闘場面の面白さは元来、武器や暴走や爆破にあるよりはむしろ身体の躍動にこそある。光線を発して悪を倒すのが面白いのではなく、むしろ光線を発して攻撃してくる悪に対抗し挫けることなく立ち向かうのこそが面白いのだ。
イブキと香須実が「魔化魍」オオナマズの本拠に到着したとき、武器もないままで戦うよりは武器を届けにくるはずの天美あきら(秋山奈々)や、援軍のヒビキ(細川茂樹)・滝澤みどり(梅宮万紗子)の合流を待った方がよいのではないかと香須実は提案したが、イブキは被害者が出ないよう一刻も早く「魔化魍」を倒すため、せめて「時間稼ぎ」だけのためにも直ぐに闘いに入りたいと告げて、一人で向かった。イブキの真の強さが表現された場面だった。
他方、「少年」安達明日夢栩原楽人)は、イブキの弟子としての任務のため殆ど学校に出席できていない同級生あきらに授業内容を記したノートの写しを届けるため、葛飾柴又の甘味処「たちばな」を訪ねた。そのとき「たちばなのおやっさん」立花勢地郎(下條アトム)はイブキの戦況を見守り支援するため地下の基地に籠っていて店には不在。もちろん香須実は不在で、店番は立花日菜佳(神戸みゆき)一人だったが、生憎こんな日に限って店は大繁盛。明日夢は店を手伝った。あきらのためノートを届けたことも含め、「たちばな」=「猛士」の活動をささやかながら支援したわけだ。このことは当然ヒビキを喜ばせた。「大したことじゃないことから、コツコツ始めるのが大事なことなんだよな。ありがとな、少年」。
なお、「たちばな」の奥には大きめの浴室があり、どうやらヒビキとイブキは一緒に入るようだ。そこを映してはどうだろうか。
一つ気になるのは、イブキに音撃管を届けるため走っていた天美あきらが、道中、例の「謎の黒装束の男」に遭遇し、何か不思議な力によって暫くは気絶していたらしいことだ。その間、何もなかったのかどうか。実は密かに心身を改造されていて、今後、悪に加担することになりはしないだろうか。

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