富豪刑事デラックス第七話

テレビ朝日系(ABC朝日放送制作)ドラマ「富豪刑事デラックス」。筒井康隆原作(新潮文庫)。福田卓郎脚本。辻陽音楽。主題歌=オオゼキタク「トライアングルライフ」。深沢義啓(ABC朝日放送)&桑田潔テレビ朝日)&蒔田光治東宝)&太田雅晴(5年D組)プロデュース。製作=ABC&テレビ朝日東宝長江俊和演出。第七話。
天才フランス料理人の塚原浩二(正名僕蔵)が失踪。塚原の店の近くにある三星レストラン主人、大河内洋輔(手塚とおる)に殺害されたとの目撃証言が寄せられた。この事件を解決するための装置として神戸美和子(深田恭子)は、塚原の店を買い取り、フランス国家最優秀料理人の久留米義隆(田中要次)率いる本場の三星料理人衆を呼び寄せて最高級フランス料理店「レストラン・ミワコ」を作り、犯人側を圧迫し焦らせる挙に出た。もちろん大河内も黙ってはいなかった。日本中の高級食材を買い占めて美和子の店を兵糧攻めにしようとしたが、これに対抗して神戸喜久右衛門(夏八木勲)は世界中の高級食材を買い占めた。この対抗措置の凄いところは美和子の店を大成功させ、大河内の店に打撃を与えたばかりか、世界中の料理店にも深刻な影響をもたらし、延いては世界の経済にも異変を生じたに相違ないことだ。高級食材が世界から消失したことを報道する新聞を読みながら高らかに笑う喜久右衛門の姿に、かつての巨悪の面影を見ないわけにはゆかなかった。
前半を盛り上げたのは神戸家の巨大な財力の凄さの面白さであるとすれば、後半を盛り上げたのは一流の料理人同士を対戦させる劇中テレヴィ番組「料理の鉄人」ならぬ「厨房の超人」。厨房と云うのは「チューボー」の意も掛けていようか。ソムリエ田崎真也田崎真也)とともに審査員をつとめた三人中の一人は岸朝子ならぬ崖夕子(澤田有里)。料理記者歴四十年なのだろうか。味わったあとの決め台詞は無論「おいしゅうございます」。もう一人の祖師谷大蔵は北大路魯山人の弟子だろうか。司会をつとめたのはもちろん鹿賀丈史みたいな格好の人(アリtoキリギリス石井正則)。