トップキャスター第九話

フジテレビ月九ドラマ「トップキャスター」。坂元裕二脚本。佐藤直紀音楽。主題歌=Sowelu「Dear friend」。現王園佳正プロデュース。フジテレビドラマ制作センター制作。七高剛演出。第九話。
飛鳥望美(矢田亜希子)に対する椿木春香(天海祐希)の怒りの意味は固より明確だった。市役所への反対運動が展開されている中、参加している市民の一人の子供一人が単に何かに躓き転倒したのを映像に撮り、その映像を流すことで市役所の横暴を強調するというのは極めて悪質な情報の改竄であり世論の操作であって、報道会社の姿勢としては最低だからだ。それを提案した飛鳥望美にはニュースキャスターになる資格はない!と椿木春香が宣告したのは全面的に正しい。しかるに蟹原健介(玉木宏)も紺野令子(須藤理彩)も角高孝男(矢島健一)も石場小吉(生瀬勝久)もCNBテレビ報道部の全員が椿木春香ではなく飛鳥望美の側に肩入れした。ここにおいて彼ら皆が真実を捻じ曲げることを肯定したのだ。飛鳥望美の夢を潰してはならない!と彼らは云うが、ここでの「夢」とは「出世欲」のことでしかない。私的な欲望のために世界の真実を捻じ曲げてよいとでも云うのだろうか。