ボルゲーゼのアレスのフィギュア

驚異の朗報。古代ギリシア彫刻(ローマ模刻)の名品「ボルゲーゼのアレース」を精巧に縮小複製した人形、所謂フィギュアが来月下旬に発売されると云うのだ。所謂ガチャガチャ用のカプセル入り玩具の製造で有名なユージン社が、大好評だった「石膏デッサン入門」に続く新企画「ルーヴル美術館コレクション」の第一弾として制作し、現在その予約を受け付けているところ。制作にあたっては「石膏デッサン入門」と同じく東京藝術大学美術学部彫刻科の協力を得たほか、今回はフランス国立ルーヴル美術館に完全監修を依頼したとのこと。本格的なのだ。先の「石膏デッサン入門」にもこのアレース(マルス)のフィギュアがあったが、あれはデッサン教室によくある石膏像を模したものだったから胸像でしかなかったし、よく見ると顔も体も本物より細身で、率直に云って余り似ていなかった。それに対し今度のは何と!全身像なのだ。ルーヴル美術館の「完全監修」による以上、その形姿は本物に近付くことだろうと期待できよう。あの物憂げな顔、堂々厚い胸と大きな肩ばかりか優美な脚や見事な腹筋までも複写された完全な形を、手元に置くことができるとは実に夢のような好企画。東京藝術大学大学美術館では現在「ルーヴル美術館展-古代ギリシア芸術・神々の遺産」と題し、ルーヴル宮殿を飾る古代ギリシア彫刻の名品を公開していて、アルカメネース原作によると云われる名品中の名品「ボルゲーゼのアレース」の本物を見ることができる。ちなみにユージン社がこのフィギュアの予約を受け付け始めた六月十六日は吾が誕生日でもあり、その点も何となく喜ばしい。