家族善哉第二十六話

TBS系。ドラマ30「家族善哉」。第二十六話(第六週)。
原作:島村洋子(『家族善哉』講談社文庫)。脚本:西井史子。音楽:中村竜哉。主題歌:「Step by Step」東方神起rhythm zone)。制作:藪内広之。プロデューサー:芝野昌之&亀井弘明&中村雅人&藤井裕也。制作協力:MBS企画。製作:MBS毎日放送)。演出:中村和宏(MBS企画)。
立多喜井高等学校、休憩時間の階段。次の教室へ移動中の石井咲子(竹内都子)を呼び止めた上沢貢(中村優一)。「石井さん!あの…また何か手伝えることがあったら…」と語りかけたが、「ない!」と返答されてしまった。それにしても何故デイトの誘いではなく手伝いの申し出をするのか。もちろん石井咲子が多忙な主婦でもあるからだろうが、もう一つ、石井家に入り込みたいという願望もあったろう。彼は家族の愛に飢えているのだ。ともかくも咲子には冷たくされた彼は、次には咲子の娘であり自身の同級生でもある石井美佐緒(赤松悠実)に家の様子を聴くため、校内の中庭に呼び出した。あくまでも家庭内の様子を聴くためのことだったが、美佐緒は、片想いの相手がそこまで自分の家庭のことを心配してくれていることに大感激。いよいよ両想いを確信。二人一緒に映画館に行く約束の件を持ち出し、何時にしようか?と持ちかけた。しかし美佐緒に好意を抱いているわけではない彼はそんな約束のことなんか忘れていたようで、云われて思い出して困惑していた様子。
保健室で校長(愛川欽也)と後藤礼子(千堂あきほ)が親しく会話していたところに突然現れた畑中(三浦涼介)。三年前に暴力や窃盗や詐欺まで働いて学校を退学させられた問題児。今も柄の悪そうな派手な格好。しかし文句を云いに来たわけではなく、報告をしに来たと云う。恋人との間に子どもができて現在三ヶ月目。真面目に仕事をして確り父親になってみせるとの決意を明かした。そして今は、もっと勉強しておけばよかったと少しだけ後悔もしていることも明かした。彼の去ったあとに校長が後藤教諭に語ったところによれば、彼が荒れていたとき彼の母親は重病で死の間際にあったらしく、不安を忘れるため悪事に走っていたに相違ないことが今となっては想像されるが、校長も教諭たちも彼のそんな心理状態を見抜けなかった。校長はそのことを悔やんでいると云うが、今こうして彼が報告に来て、しかも勉強してこなかったことの後悔まで語ってくれたことに希望を見出し得たとも云った。畑中にとって咲子の高校復帰は、指針、範例にもなり得るのかもしれない。
畑中を演じた三浦涼介は二〇〇五年一月から三月にかけて放送された日本テレビ土曜ドラマ「ごくせん」で黒銀学院三年D組の生徒、武藤涼介を演じた。他方、上沢貢を演じている中村優一も同じく「ごくせん」で黒銀学院三年D組の生徒、川田優一を演じていた。「家族善哉」の撮影現場で中村優一と三浦涼介が再会する機会はあったろうか。
登場人物(出演者):石井咲子34歳(竹内都子ピンクの電話])/石井紘太郎38歳(嶋大輔)/石井新哉16歳(窪田正孝)石井美佐緒17歳(赤松悠実)/佐伯芙美子34歳(岩崎良美)/後藤礼子34歳(千堂あきほ)/佐伯圭助40歳(金山一彦)/蒲田浩之(脇知弘)山口幸雄26歳(川原田樹)上沢貢17歳(中村優一[D-BOYS])/畑中(三浦涼介)高千穂瑛子15歳(寺田有希)生徒女子15歳(西川風花)天童ルミ子15歳(芝原渚)/校長59歳(愛川欽也)/エレナ(古藤ロレナ)深町16歳(Takuya)内職斡旋業者(後藤健司)斎藤16歳(矢橋秀浩)/宮本紗弥加15歳(古田ひろこ)生徒女子15歳(辻本瑞貴)生徒女子15歳(竹田有希)鈴木結衣15歳(小川舞華)/橋本鉄造67歳(池乃めだか)/橋本静代63歳(加藤登紀子)。