セクシーボイスアンドロボ第四話

日本テレビ系。ドラマ「セクシーボイスアンドロボ」。第四話。
脚本:山岡真介。原作:黒田硫黄小学館イッキコミックス)。音楽:中塚武。主題歌:みつき「ひとつだけ」(ワーナーミュージック・ジャパン)。制作協力:トータルメディアコミュニケーション。プロデューサー:河野英裕&小泉守&下山潤。演出:石尾純
林二湖(大後寿々花)と「ロボ」こと須藤威一郎(松山ケンイチ)の二人組に名梨秀吉(岡田義徳)を加えた三人が事件現場の大学内を走り回る展開には疾走感があって痛快でさえあったが、その結末は、何時ものように、何とも後味の悪いままの平和の回復にしかならなかった。仕方がないのだ。「かんにん袋さん」こと宇佐美好子(市川実和子)の失われた五年間は、どうしようとも決して戻ってはこないからだ。タイムマシンは未だ存在してはいないのだ。それでもなお劇中の田崎教授(伊藤正之)は、己の過誤に起因する宇佐美の五年間の空白を今からでも埋め合わせようとして、宇佐美のために就職先を紹介しようと申し出た。そしてそれは逆に、過去を忘れることを決意したらしい宇佐美によって潔くも拒絶されたわけだが、劇中ならぬ現実では、加害者をあのように屈服させることなんかできはしないに相違ない。この奇想天外なドラマの非現実的な展開は、現実の世界の救いのなさ、終わりのなさを表現するために費やされていると云えるかもしれない。