花嫁とパパ第六話

フジテレビ系。ドラマ「花嫁とパパ」。第六話。
脚本：小川智子。音楽：佐橋俊彦。挿入歌：時任三郎「君の帰る場所」。エンディング主題歌：加藤ミリヤ＆COLOR「My Girl feat. COLOR」。企画：金井卓也。プロデュース：稲田秀樹（共同テレビ）＆三田真奈美（共同テレビ）。制作：フジテレビ＆共同テレビ。演出：佐藤祐市（共同テレビ）。
これまで三浦誠二（田口淳之介［KAT-TUN］）は宇崎愛子（石原さとみ）を愛しながら同時に愛子の父の宇崎賢太郎（時任三郎）をも敬愛しようとしてきた。彼は常に、賢太郎が素敵な父親であること、愛子と賢太郎が素敵な親子であることを強調し、羨んできた。今回の第六話ではそのことの意味が明らかになってきた。彼は母親の三浦房江（田島令子）と上手く行っていなかったのだ。実際、会話が全く成立していなかった。子の誠二が何を語ろうとしても断じて聴こうともしない様子だった。あの仲の悪さ加減は多分、昨日今日に始まったものでもなさそうだ。由緒ある家族には普通の家庭とは異質な論理が働くものだ。だから彼は家出同然で一人暮らしを続けてきたのだろう。そんな彼にとって宇崎愛子と賢太郎は理想の家族だったに相違ない。しかるに理想しか知らない者に現実の苦しみを理解させるのは難しい。宇崎家の魅力を知ってしまった三浦誠二にとって、自身の家の現実を愛子に理解してもらうのは不可能に思われたろう。彼が何時になく取り乱したのは必然だ。
室長の鳴海駿一（小泉孝太郎）が三浦誠二に対して、「会社と君との関係を考えるなら」宇崎愛子と別れよ！と告げた。どういう意味か。普通に解するなら、会社で安定した地位を得たければ愛子と別れよ！という意味で、この場合の鳴海は、三浦誠二に対して極めて冷酷、敵対的であるわけだが、もし鳴海が愛子とともに会社を離れるつもりであるなら、逆に三浦誠二を守るための温かな助言とさえ解し得るだろう。