美味学院第八話

テレビ東京。ドラマ「美味學院(デリシャスガクイン)」。第八皿「四天王バウト開戦!極上パスタ祭」。
原作:青木健生&AVEX ENTERTAINMENT INC.。脚本:横田理恵。主題歌:AAA「唇からロマンチカ」(avex trax)。挿入歌:AAA「That's Right」(avex trax)。音楽:Jack's Law。プロデューサー:瀧川治水&藤平晋太郎&佐々木博之。企画:高橋なな美&星野卓也&二村慈哉&渡辺和哉。制作:テレビ東京制作&デジタルハリウッド エンタテインメント。製作:(C)「美味學院」製作委員会。演出:多胡由章。
美味四天王に対するデリシャス5の挑戦の第一戦。マシュー・ペリエ三浦涼介)vs.土方歳輝(河合龍之介)。パスタ料理対決。その本番に向けて作戦と猛特訓が始まった。しかし桂城秀吾(與真司郎[AAA])の厳しい特訓や北坂狼馬(西島隆弘[AAA])の無茶な特訓に挫けたマシューは「五万円でバウト代わってシルヴプレ」と弱音を吐いた。しかも心の支えだった美しい姉の写真を無類の女好きの土方に取り上げられたことで気力を失い、押入れに籠ってしまった。そんな彼を高杉凛(相葉弘樹)が、夕陽に照らされた室内で慰め諭し励ました場面は、凛自身に云わせれば永久保存すべき感動の場面。その直後、狼馬と南郷隆司(中村優一[D-BOYS])が変なインチキ外国人の扮装をしてマシューの母と父に扮して激励に来たのも、このドラマ流儀の「青春ドラマ」表現で、面白かった。秀吾までもがマシューの姉に扮していたのは見逃せない。流石に恥ずかしかったのか、直ぐに後ろを向いていた。南郷の扮装と喋り方は途中からケント・デリカットみたいになっていた。
その前の、トイレで落ち込んでいたマシューを凛と南郷が励ましていた場面も凛と南郷の何時になく真剣な表情を普通に描いていて、よかった。
そして第一戦の当日。審査員として招かれたパスタハウス「耳の穴」のカルロ笹山(斎藤工)をめぐり事件が発生した。豪華な食材を揃えて優勢に戦いを進めていたはずの土方が、何時ものようにパスタに対し愛を囁いていたところ、女の姿を想像している内に不覚にも興奮し、妄想に囚われた勢いでカルロ笹山に抱き付いてしまったのだ。この事件による動揺から土方は迂闊にもパスタを茹で過ぎて危うく負けそうになったわけだが、他方、抱きつかれたカルロ笹山は土方に魅了されたらしい。勝敗の決したあと、勝者の土方に握手を求められたときのカルロ笹山の様子も、そのことを物語っていた。
徳平慶伸(城咲仁)が土方の事実上の敗北を見破っていたのは、この馬鹿ドラマが時々垣間見せるドラマティクな本質の顕れの一つと云えるだろう。