喰いタン2第八話

日本テレビ系。土曜ドラマ喰いタン2 KUI-TAN 2」。第八話。
原作:寺沢大介(「イブニング」連載/講談社)。脚本:伴一彦。音楽:小西康陽。主題歌:トリオ・ザ・シャキーン「愛しのナポリタン」(ジャニーズ・エンタテイメント)。プロデューサー:次屋尚&山本由緒。協力プロデューサー:(アベクカンパニー)和田豊彦&井下倫子。制作協力:アベクカンパニー。演出:位部将人(アベクカンパニー)。
出水京子(市川実日子)の母校である女子大学の学生たち数名が、夜、何者かに醤油をかけられるという不可解な通り魔事件が頻発。被害者の一人を野田涼介(森田剛)が助けたことから、ホームズエージェンシーが捜査に乗り出した。
食いしん坊探偵、略してKUI-TANこと高野聖也(東山紀之)の推理が再び外れたのは事件に便乗した所謂模倣犯が現れたからだったが、反面、推理が練り直されて解決へ一気に向かい得たのは真犯人の使用した醤油と模倣犯の使用した醤油との味の違いを判別できたからだった。真犯人は女子大学の事務局に勤務する人物で、同校の学生数名に告白したものの相手にされなかったことから学生たち皆を無差別に逆恨みしての犯行だったが、模倣犯は、この連続事件の被害者の一人、木村和美(前田亜季)だった。
一時は犯人と疑われた学食の料理人、湯浅隆司(石川伸一郎)に片想いをしていた木村和美は、自身の襲われた夜、友人の原田奈緒子(平愛梨)と彼とが一緒に食事をしていたという事実によって彼のアリバイが証明されたと知らされたことから、この友人に嫉妬を抱き、逆恨みを抱いて模倣犯と化し、この友人を襲撃したのだ。
このとき木村和美が犯行に使用した醤油は、湯浅隆司が使用しているのと同じ低カロリーの甘めの醤油だった。真犯人が使用した普通の醤油とそれとの味の違いから高野聖也は真相を見破ったわけだが、興味深いのは、湯浅隆司の使用する醤油と同じものを使用するということは、彼が疑われている時点では彼への疑いをさらに濃くすることにもなりかねないことだ。とはいえ醤油の味に重大な意味があると直観する高野聖也のような人物が捜査に加わらない限り、そうした可能性は想定もされなかったかもしれないし、大体、木村和美が問題の醤油を使用したのはそれしか持ち合わせていなかったからに過ぎないだろう。だが、三角関係の縺れから、片想いの相手を奪った友人を襲撃し、片想いの相手に罪を被せるというのは、このドラマでは到底あり得ない話でも、他のドラマでは普通にあり得ることだろう。