仮面ライダー電王第十九話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:舞原賢三。第十九話「その男、ゼロのスタート」。
桜井侑斗(中村優一)に憑依しているイマジン、デネブ(声:大塚芳忠)が姿を現すとき、雅楽みたいなのが流れるのが泣ける。彼等を乗せる電車「ゼロライナー」が牛みたいな形をしているのも、案外、牛車(ぎっしゃ)のイメージではないのか?と思えてしまう。桜井侑斗は現代の少年なのに、デネブもゼロライナーも平安時代風のところがあって妙に長閑なのだ。デネブに云わせれば侑斗は攻撃的な性格で負けず嫌いで強情で、見栄張りで金遣いも荒くて、でも実は友達が一人もいなくて孤独で寂しい思いをしていて、野上良太郎佐藤健)やモモタロス(声:関俊彦)に対して意地悪な接し方をしてはいても、本当は両名とも友達になりたがっているらしい。そんな侑斗の内面を知り尽くしていると自負するデネブは、良太郎やモモタロスと仲良くなるため、特製「デネブ・キャンディー」を手渡した。しかも二個。泣ける。デネブと直ぐ喧嘩する侑斗の服は何時もデネブの腕力で破れてしまうようだが、それで新しい服を買おうとしていた侑斗に対し、デネブは浪費を戒め、自分の裁縫で破れた服を直してやる!と約束していた。泣ける。しかも侑斗の浪費癖を心配して財布はデネブが握っているらしいが、侑斗に云わせればデネブは足し算ができないらしい。ますます泣ける。侑斗の買った服の値段が八千五百円で、それでもデネブには「高過ぎる!」と思われたところも泣けるが、こうして金を出す度に両名が大喧嘩をするので、支払うために出す一万千札や千円札が何時もボロボロになってしまうのも泣ける。
侑斗は野上愛理(松本若菜)の喫茶店ミルク・ディッパーを訪ねた。何時ものように尾崎正義(永田彬[RUN&GUN])と三浦イッセー(上野亮)が来て騒いでいたのを見て、意外と「楽しくやってんじゃん…」と思い込んだらしい。ここで侑斗は、ボロボロの千円札一枚を卓上に置いて黙って立ち去ったが、愛理は釣銭を手渡すため、走って追いかけた。愛理は、どこか見覚えのある侑斗を良太郎の友達と思い込んだらしい。だから追い付いた先で侑斗に良太郎が対峙し、侑斗を遠ざけようとしたのを見て、良太郎に「喧嘩も程々にね、仲直りしたら一緒に珈琲飲みにいらっしゃい」と諭した。これまた泣ける。
今朝の第十九話では、モモタロスは無論のこと、ウラタロス(声:遊佐浩二)もキンタロス(声:てらそままさき)もリュウタロス(声:鈴村健一)もデンライナーのオーナー(石丸謙二郎)も、そして「前フリは嫌い」な敵イマジン(声:中尾隆聖)もそれぞれ面白かったが、何と云っても侑斗&デネブの愛の家族が余りにも味わい深かった。