大河ドラマ風林火山第三十話

NHK大河ドラマ風林火山」。原作:井上靖。脚本:大森寿美男。音楽:千住明。主演:内野聖陽。演出:清水一彦。第三十回「天下への道」。
紀州根来寺に発注した百挺もの鉄砲を海路で輸送するため、駿河の港を利用させてもらうべく、山本勘助内野聖陽)は今川義元谷原章介)を訪ね、その旨を述べて依頼した。この提案を今川家が受け容れることは、武田晴信市川亀治郎)が北条氏康(松井誠)との結託を模索する恐れを避ける意味から、今川家にとっても決して無益ではない…との考えを太原雪斎伊武雅刀)は述べた。今川義元はそれを不快に感じたようだが、意義を解しないわけではなかったらしい。この件についての全権を、かねて勘助を評価してきた寿桂尼藤村志保)に委ねた。この「女大名」は、強大な大大名と見える今川家といえども実際には決して安泰ではなく、駿河と甲斐との同盟関係が不可欠であるとの考えを明かして、その旨をよくよく晴信にも考慮して欲しいことを勘助に伝えた。今川家では何時も、義元と雪斎と寿桂尼がそれぞれ異なった見解を抱いていて、それらが緊張感を保ちつつ巧妙に絡み合うことで最も絶妙な意思の決定が行われていると見受ける。このドラマではそのあたりの描写が何時もながら面白い。