仮面ライダー電王第二十七話

テレビ朝日系。「仮面ライダー電王」。主演:佐藤健。脚本:小林靖子。監督:石田秀範。第二十七話「ダイヤを乱す牙」。
野上愛理(松本若菜)の喫茶店「ミルクディッパー」で野上良太郎佐藤健)の安否を確認すべく偵察していたデネブ(声:大塚芳忠)は、店内で勃発した泥棒騒動に驚いて、援軍として店へ顔を出させるべく桜井侑斗(中村優一)を呼びに走った。そのとき侑斗は、真夏の炎天下、靴を脱いで公園の噴水で足を冷しながらソフトクリームを舐めていた。何だか楽しそうだった。
その夜、喫茶店ミルクディッパー内には愛理と良太郎のほか、常連客の尾崎正義(永田彬[RUN&GUN])と三浦イッセー(上野亮)は無論のこと、ハナ(白鳥百合子)や、ヌイグルミを着たモモタロス(声:関俊彦)とウラタロス(声:遊佐浩二)とキンタロス(声:てらそままさき)の三人組、そして侑斗までも参加しての不寝の番をするつもりだったのだろうが、恐らくは愛理の手料理で盛り上がって宴会にでもなってしまったのだろう。翌朝には全員が店内で寝ていた。そこに泥棒が侵入し、侑斗とハナとウラタロス=良太郎が追いかけ、大捕り物が始まったが、泥棒に対するハナの攻撃は、それを避けた泥棒を通り越して不幸にも侑斗を直撃。だが、この経験からか侑斗はその後、泥棒に憑依していた敵イマジンからの同じ攻撃をかわして、同時に仮面ライダーゼロノスに変身してみせた。これと似た鮮やかさを、二〇〇六年一月二十二日放送「仮面ライダー響鬼」最終話における桐矢京介(中村優一)の、変身音叉で攻撃をかわしながら変身した例にも見出せるだろう。
この大捕り物の間、ウラタロス=良太郎は侑斗を二度も「ボクちゃん」呼ばわり。この呼び方に怒った侑斗の、敵イマジンへの八つ当たり含みの戦闘は激しかったが、激し過ぎて息切れしていた。その前に長い距離を走り過ぎて既に疲れていたのも、ここでの敗因の一だろう。
これに先立ち、泥棒を追い返すため店内への泊まり込みを引き受けようとした三浦イッセーが「及ばずながらこの私も…」と云いかけたとき、愛理をめぐる恋敵の尾崎正義が即座に「三浦君、君じゃ本当に及ばないから」と云い返したのが妙に面白かった。敵イマジンの声が徳山秀典の美声だった。