ホタルノヒカリ第七話

日本テレビ系。水曜ドラマ「ホタルノヒカリ」。
原作:ひうらさとるホタルノヒカリ」(講談社)。脚本:水橋文美江。音楽:菅野祐悟。主題歌:aiko「横顔」。プロデューサー:櫨山裕子&内山雅博&三上絵里子。制作協力:オフィスクレッシェンド。演出:吉野洋。第七話。
高野誠一(藤木直人)と離婚したばかりの深雪(黒谷友香)は、離婚の原因にも関係する己の浮気について謝罪するため、彼の家を訪ねた際、彼と同居中の若い女、雨宮蛍(綾瀬はるか)の存在に驚き、一体どんな女であるのかを訊ねた。彼は応えた。「大人しくて、余り目立たない子だった。一緒に暮らすまでは分からなかった。面倒くさがりで、怠け癖がある。基本的に余り器用じゃない。一つのことに夢中になると他が素飛ぶ。どこかで思い切り生き抜きをしないと頑張れない子だ。ウチの中が散らかっているのは、かの女が外で頑張っている証拠だ。何時も一所懸命、頑張っている子なんだ」。
そして深雪の去ったあと、彼の前に姿を現し、両名の会話の一部始終を盗み聴いていたことを告白した雨宮蛍に対しても、部長=高野誠一は、早く手嶋マコト(加藤和樹)の家に行くよう促しつつ、言い放った。「外で頑張れば頑張る程、干物度が増す」「それを分かってもらいたい人は他にいるだろ?誰よりも手嶋に分かってもらいたいんじゃないのか?」と。しかし「まあ、分かってもらえるかどうかは分からないがな」と意地悪な一言をも付け加えた。これに対し「分かってもらいますよ」と応じた雨宮蛍が、「本当に好きなら、この世に乗り越えられないものはないと私は思うのです」との思いを表明した。この「思うのです」という口調の妙に説明的な響が、干物女=雨宮蛍の「一所懸命」な感じをよく表していて、時々出てくる軍人風の言葉遣い共々、何時もながら面白いところ。普通の若い女子らしく自然に語ることができないのだ。
田所潤平(渋江譲二)は、交際し始めた曽根美奈子(浅見れいな)に早くも捨てられた。もともと沢木瞬(渡部豪太)の強引な提案により始まった交際で、しかも、それを望んでいたのは曽根美奈子側でこそあれ、田所潤平は必ずしも望んでいたわけでもなかったのに、彼が一方的に捨てられてしまった。何とも理不尽な話だが、そうした不条理が実によく似合う男ではある。