増田貴久の幽惑ドライブ

フジテレビ系「ほんとにあった怖い話夏の特別編2007」における増田貴久主演ドラマ「幽惑ドライブ」を漸く見た。脚本を書いたのは三宅隆太。出演者は増田貴久のほか波岡一喜出口哲也、矢内伸幸、嶋崎亜美。演出家は鶴田法男。大学生の村上圭介(増田貴久)が昨年の夏、山梨の某所にある「心霊スポット」で体験した恐怖の出来事を映像化したもの。
舗装された道路の片側が山、もう片側が谷で、変化の乏しい景色が延々続いてゆくという状況は日本国内のどこにでも存在するが、そんな凡庸でありながら危険でもある道を行くのは、昼には退屈だが、夜には恐ろしい。事故死の危険性と常に隣り合わせていて、逃げ場がない。そして街中の夜の明るさに慣れた者には耐え難い程に暗い。山中や海辺の、田舎の町と町との間を繋ぐ道路の夜の寂しさ、暗さが、このドラマ「幽惑ドライブ」では巧みに描かれていた。そして増田貴久が愛らしかった。