斉藤さん最終回

日本テレビ系。水曜ドラマ「斉藤さん」
原作:小田ゆうあ『斉藤さん』。脚本:土田英生。音楽:池頼広。主題歌:観月ありさ「ENGAGED」。企画:東宝。第十一話=最終回。演出:久保田充。
斉藤全子(観月ありさ)が日々通ってきた近所のスポーツクラブの一見イケメンな(でも実は「オネエ系」の)インストラクター泉温之(弓削智久)は、「斉藤組」騒動に際して同クラブに一時入会した有閑主婦連にその外見に反する仕草や言葉遣いを笑われたのが余程に悔しかったのか、無理に男らしさを装っていたが、「斉藤さん」と別れの握手をするときの送別の言葉には、生来の繊細で濃やかな性格が表れていた。
柳川正義(山田親太朗)の軍団は、去り行く宿敵「斉藤さん」に「達者でな」と送別の辞を告げ、自転車で一列に並んで走り去った。自転車であれ徒歩であれ複数の人々が横一列に並んで道路を占拠するかのように行動するのは他人にとっては甚だ迷惑なことなのだが、ああやって大勢の学ランを着た不良集団が縦一列に行儀よく並んで走り去るのを見ると、流石に滑稽に見えてしまう。要するに、集団行動それ自体が滑稽で不恰好であるということなのかもしれない。「達者でな」という挨拶は時代劇のようでもあるが、時代劇マニアを自称する山本みゆき(濱田マリ)の影響を受けたわけではないだろう。
柳川正義役の山田親太朗にとって不幸だったのは、不良役ということで昔の不良の髪型を想起させるかのような前髪を盛大に立て額を出した髪形をした結果、小島よしおに瓜二つであることが露呈したことだろう。