旅行記二

連休の前半の二日目。旅行記二。
阪急電車で梅田駅から河原町駅へ。駅から徒歩で京都国立博物館へ。途上、豊国神社へ参詣。博物館で開催中の「河鍋暁斎展」を観照。とても面白かったが、残酷な絵やエロティク過ぎる絵が少なくなく、果たして子どもたちに見せてよいものかどうか甚だ気になったのは正直なところ。所謂「十八禁」にしておくべきだろう。そのあと平常展も観照。狩野山雪の傑作「雪汀水禽図屏風」と「蘭亭曲水図屏風」が出ていた。
昼三時頃に京都国立博物館を出て、次には京都国立近代美術館へ。開催中の「秋野不矩展」を観照。暁斎や山雪の強烈な傑作の数々を見たあとであるにもかかわらず見応えを感じることができたのだから、秋野不矩も流石タダモノではないと再認識できる。インド風景の大作を見ると、空間の拡がり、太陽の輝きを強烈にも構築的に描き出していると感じる。異国風景を描く他の画家たちの中には、情緒に流される余り情緒さえも描き出せていない者もいるように思うが、この画家にはそんな甘さはない。この画家のそうした知的な性格は、幾つかの男子ヌードによく表れている気がする。日本美術史上のヌードと云えば殆ど女性ヌードばかりだが、秋野不矩は少年や青年の過剰さのない形を無駄なく厳正に捉えて、知的に美しい。他方、童話「一寸法師」等の絵本も手がけていて、その絵は優しく愛らしい。館内の売店には福音館書店刊行のその絵本があり、買ってみたのだが、大和絵風の雅やかさもあれば崇高なまでに雄大な構図もあり、場面によってそれらを鮮やかに使い分けていて実に楽しい。
館を退出したあと、夕方六時頃から京都における女友とともに三条通の料理店で会話。九時頃に店を出て阪急電車にも同乗。途上で別れた。電車内で読書を始めたところ、次第に眠くなってきて、ホテルに戻ったあとは疲れて直ぐに寝てしまった。

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かぐやひめ (復刊・日本の名作絵本2)
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