絶対彼氏第三話

フジテレビ系。ドラマ「絶対彼氏-完全無欠の恋人ロボット」。
原作：渡瀬悠宇「絶対彼氏。フィギュアなDARLING」。脚本：根津理香。主題歌：絢香「おかえり」。音楽：福島祐子＆audio highs。企画：金井卓也。原案協力：山岡秀雄＆山縣裕児＆新川早織（小学館）。プロデューサー：橋本芙美。制作：フジテレビ＆共同テレビ。演出：佐藤源太。第三話。
ドラマとは人間の行為を描くものに他ならない…とは古代ギリシアの哲学者アリストテレースの言だが、実際、ロボットであって人間ではない「理想の彼氏」こと天城ナイト（速水もこみち）と、人間である井沢梨衣子（相武紗季）との間の擬似（でしかあり得ない）恋愛の関係よりは、人間同士である浅元創志（水嶋ヒロ）と井沢梨衣子との間の関係の方が面白くなってくるのは致し方ない。しかし、もしロボットにも何かの弾みで設定上の狂いが生じ得るとなると、それと人間との関係にも狂いが生じてくるわけで、今宵の第三話の最後にはそのことが描かれた。
また、浅元創志の兄、浅元将志（中村俊介）の人物像には、他の登場人物にはない複雑性がありそうだ。主役よりも脇役の方に意味の深さがあって面白味があるということだ。中村俊介という人自身はどこをどう見ても悪そうな気配がなく「よい人」にしか見えないが、演技においては微妙に嫌な面や悪い面を備えた複雑な役をやることが多いような気がする。