日めくりタイムトラベル昭和39年

NHK衛星第二放送の月に一度の特別番組「日めくりタイムトラベル」が先週土曜日の夜八時から十一時にかけて放送されていた。録画しておいたのを見た(ただし九時からの五十四分間は「ごくせん」を録画したので欠如)。今回のタイムトラベルの対象は「昭和三十九年」。東京オリンピックの開催された年に他ならない。それで番組中の特集として、オリンピックを前にしての東京大清掃、東京大改造や巨大ホテル建設が取り上げられたが、ことに総力を結集して特集されたのは市川崑監督の映画「東京オリンピック」のこと。その制作、撮影、編集、公開等に関する数多くの秘話が明らかにされた。
あの映画の制作に脚本家の一員として加わった詩人の谷川俊太郎が当時の思い出を書いた手紙を番組へ寄せたが、それによると、東京オリンピック開会式典における東京上空の色とりどりの風船の映像を撮影したのは谷川俊太郎だったらしい。驚いた。あの長編記録映画の制作にあたり市川崑は何十人ものカメラマンを動員したと伝えられるが、その過程では市川崑自身は無論のこと谷川俊太郎にまでもカメラを持たせていたのだ。それで撮影した中によい映像があれば採用したらしく、谷川俊太郎撮影分の中では、あの風船の映像が採用されたわけなのだ。しかし確かに、あの映像は印象深いものの一つだと思う。