新番組=正義の味方第一話

今宵からの新番組。
日本テレビ系。水曜ドラマ「正義の味方」。第一話。
原作:聖千秋集英社)。脚本:旺季志ずか。音楽:小西康陽。プロデュース:次屋尚。制作協力:アベクカンパニー。演出:中島悟。
まるで期待していなかったので録画もしなかったことを今は惜しんでいる。録画しておくべきだった。なぜなら面白かったから。劇中の至るところに配されたあらゆる細々とした要素が最後に上手い具合に収束して落着したあたりの話のまとまり方も痛快だったが、芝居というか演出も上手かった。
特に、悪魔のような姉=中田槇子役を演じた山田優。外面ばかり美しく見せかけていても、その実は比類なく冷酷で非情な、嫌なエリート女を、揺るぎなく明確に実現している。あらゆる欲望において底抜けに旺盛な、精力的な人物像が山田優の容姿に見事に調和していて、まるで本当にそういう人物であるかのようにしか見えなくなる程。山田優の仕事に初めて感心し得たと云うも過言ではない。この悪魔のような姉に虐げられ、使役される妹=「石狩熊子」こと中田容子役の志田未来も久々に面白い感じだった。
姉妹の両親、中田五郎(佐野史郎)と中田春子(田中好子)の関係は、妹と姉の関係の比と見ることができる。妹は父に似て、姉は母に似ている。
中田容子は高校生。「美し台高等学校」に通っている。この学校における女子たち皆の憧れの的の男子、岡本陸を演じる本郷奏多は、相変わらず文字通り「クール」な感じと云うか、陽気な晴れやかさも優しい温かさも皆無の雰囲気が、いかにも美少年らしい気配を生じて、近寄り難い「高嶺の花」の印象を与えている。
彼とは好対照をなしているのが小森太一(入江甚儀)。中田容子の家の隣の家の子で、幼馴染みで、美し台高等学校でも同じ学級で、しかも中田容子の席の直ぐ後ろの席に座っている。抜きん出た高身長のゆえに「ジャンボ」と称される。中田容子と仲のよい女子たち二人との輪にも普通に馴染んでいる様子で、殆ど女子三人と男子一人の四人組のようにさえ見えてしまう。逆に、他の男子と一緒にいるということがない(と云うか、あの学校には男子の姿が余り見えない)。街灯の除幕式では、ピンクのTシャツが似合っていた。