太陽と海の教室第七話

フジテレビ系。月九ドラマ「太陽と海の教室」。
脚本:坂元裕二。音楽:服部隆之。主題歌:UZ(織田裕二)「君の瞳に恋してる」。プロデュース:村瀬健。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:永山耕三。第七話。
番組の途中、内閣総理大臣福田康夫が出演して辞意を表明する少々唐突な場面があったが、これは櫻井朔太郎(織田裕二)の「何があっても放り出してはならないことがある」という台詞との関連において見るべきものと解される。この唐突な場面を別にしても、ドラマ自体が迷走しているのは明白だ。先週の第六話では白崎凜久(北乃きい)の語り(だが、このドラマの語り手は何時から白崎凜久になったのか?)の中で「大切な友を失う」とか「自殺」とか散々連発しておきながら、今週の展開を見る限り、どうもそういうことにはなりそうもない。もちろん「太陽と海の教室」と題される程の陽気な(物語になる予定だったろう)青春学園ドラマの中で生徒の自殺や自殺者の道連れとしての死が描かれるのは好ましいこととは思えないが、あれだけ先々週から煽っておきながら何事もないとなると、流石にドラマ制作者の姿勢を問わざるを得なくなる。推測するに、視聴率を稼ぐだけのための手段として無意味に死の話を持ち出しておきながら、その安易な姿勢に対して視聴者から批判が出てきて、そして実のところ批判に耐え得るだけの材料も構想も何もなく、結局は何もなかったことにしようとしているのではないだろうか。余りにも見苦しい。「太陽と海の教室」という題名を、どういうつもりで付けたのか。