新番組=永井大主演サラリーマン金太郎第一話
同じく新番組。
テレビ朝日系。金曜ナイトドラマ「サラリーマン金太郎」。
原作:本宮ひろ志。脚本:深沢正樹。音楽:仲西匡。主題歌:ゆず「シシカバブー」。プロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)&伊藤達哉(MMJ)。演出:小松隆志。第一話。
本来は先週の金曜日の深夜に始まった番組だが、ここ松山では木曜の深夜の番組として昨夜から始まった(金曜の夜には「探偵ナイトスクープ」等が放送されている)。
かなり面白かったが、恐らく、永井大の兄貴分とも云うべき高橋克典主演により数年間にわたり放映された同作品の連作を楽しんだ人々には色々違和感もあるのかもしれない。それを見ていない吾にはその種の違和感こそないとはいえ、永井大は今まで(金曜ナイトドラマ「ああ探偵事務所」における探偵のように)頼りなく情けない男を演じるのを最も得意としてきたような面があるので、こんなにも威勢のよい強い男を演じていることには驚かされた。
ヤマト建設の内部の権力闘争に敗れ、それでもなお会長を守るため敢えて自ら身を退くことを決意した専務の黒川優作(古谷一行)には迫力があった。会長の大和守之助(宇津井健)も、普段は疲れ果てた老人のようだが、いざとなれば凄みのあるところも発揮して、そこに逆に恐ろしいまでの迫力があり得る。ついに黒川専務を追放してやがては会長をも追放しようと企てる官僚からの天下り社長、大島源造(柴俊夫)が実は変態のヒステリーのガキであるのは、逆の意味で恐ろしい。いかなる意味でも恐ろしくは見えなかったのは椎名徹平(南圭介)。南圭介をヤクザの若き組長の役に起用した人は大変なチャレンジャーであると云えるだろう。
もう一つ驚かされたのは、永井大が少し太って丸顔になっていたこと。役作りのためか何かだろうか。永井大という俳優の魅力は、絞り込まれた強靭な身体から発散される爽やかさにこそあるはずなのに。