セレブと貧乏太郎第四話

フジテレビ系。「セレブと貧乏太郎」。
脚本:武藤将吾。音楽:山下康介。主題歌:いきものがかり「気まぐれロマンティック」。挿入歌:Safarii「Hero」。ナレーション:森山周一郎。企画:後藤博幸&成河広明。プロデュース:土屋健。演出:佐藤源太。第四話。
佐藤太郎(上地雄輔)と仲間たちは、貧しいながらも住み慣れた商店街を守るため、その強引な再開発を進めようとする後藤田司(柏原崇)に対し、街の存続を賭けた草野球での勝負を挑んだ…というわけで草野球の激戦で話が進行するのかと思っていたら、結局、野球の試合自体が行われなかった。別に野球のドラマを見たかったわけではないから問題ないが、何だか拍子抜けしたのも正直なところ。
太郎は改めて美田園アリス(上戸彩)の専属の運転手に起用された。実のところ運転手の役目を解かれて以降、どのようにして生活の資を得ていたのか甚だ心配せざるを得なかったわけだが、こうして再び職を得た今、逆に心配になるのは、太郎の代役をつとめていた詩吟愛好の運転手(天津木村)の再就職のことだろうか。あのあと一体どうなったのか。
アリスの義理の母の美田園真紀子(若村麻由美)は、アリスの設立し経営する会社「ラヴ・アリス」に対してどのような権利を有しているのだろうか。しかしアリスが真紀子を嫌っている以上、どのような権利も与えてはいないことが想像できる。会社の役員でもなければ株主でもないに相違ない。そうであれば真紀子がアリスの留守中に「ラヴ・アリス」を勝手に経営することは断じて許されない。悪質な公私混同でしかない。
関連して云えば、同じく「ラヴ・アリス」という会社には何の関係もないと思しい後藤田が、「アリス」の名を無断で使用して事業を展開しようとしているのも極めて悪質だろう。小室哲哉並の詐欺にもなりかねない。また、そのことを別にしても、そもそも、東京都内の一つの商店街を丸ごと買収し、街のような巨大な施設を建設したとしても、それで買収と建設と維持の費用を回収し得る程の利益を上げることができるとは思えない。数兆円規模の財産を有しながらも金の使い道を知らぬ愚かな大富豪の、私的な、病んだ道楽としてそれをやると云うなら計画としてあり得ようが、まともな企業における事業としては計画段階で却下されるものと考えられる。