セレブと貧乏太郎第八話

フジテレビ系。「セレブと貧乏太郎」。
脚本:田中一彦。音楽:山下康介。主題歌:いきものがかり「気まぐれロマンティック」。挿入歌:Safarii「Hero」。プロデュース:土屋健。演出:松田秀知。第八話。
後藤田司(柏原崇)と安田幸子(国仲涼子)が何となく急接近。唐突だが、なぜだろうか。推測するに恐らくは幸子と佐藤太郎(上地雄輔)がなかなか似合いの二人だからだろう。ドラマ制作者としては太郎と美田園アリス(上戸彩)とを結び付けたいに相違なく、ゆえに幸子を太郎から平和裡に切り離すための前提として他によい相手を見付けておく必要があったに相違ないと想像される。
アリスの継母の美田園真紀子(若村麻由美)の行動は余りにも強引で脅迫紛いで、セレブというよりはヤクザに近いが、「ラヴ・アリス」運転手として生計を立てつつあった太郎を予告もなしに解雇する代償として何千万円か(或いは一億円以上か)の莫大な退職金を支払おうとしたのは、太郎にとってはむしろ有り難い話だったはずだ。あれがあれば借金も返済できるし、何時も空腹に耐えている三人の吾が子等を満腹にしてやることもできる。そもそも、あの大金は太郎のためのものではなく、佐藤家の一郎(清水優哉)以下三人の幼い子どもたちのためのものではなかったか。あの女、太郎に対しては理不尽なことばかり突き付けてはいたが、反面、三人の子どもたちの生活を常に気にしてもいたのだ。冷酷な仮面の奥に母の慈愛が秘められているのかもしれない。太郎は家族のために退職金を受け取るべきではなかったか。
全体の印象としては支離滅裂で見るに耐えない話ではあったが、「ラヴ・アリス」の人々が社員旅行で訪れた山奥の温泉旅館の露天風呂における騒動の場面での、津田智彦(是近敦之)の半裸が美しかったので、そのわずか一秒の映像のために、予約録画しておいたのを削除せず保存しておくことに決めた。