ギラギラ第八話=最終回
テレビ朝日系。ドラマ「ギラギラ」。
原作:滝直毅&土田世紀。脚本:荒井修子。音楽:住友紀人。主題歌:GIRL NEXT DOOR「情熱の代償」。ホスト監修:頼朝&藤崎蓮。制作:ABC&テレビ朝日&ホリプロ。演出:高橋伸之。第八話=最終回。
登場人物の皆が魅力的に見えて幸福感に満ちた最終話だったと思う。面白かったのは、七瀬公平(佐々木蔵之介)を悩ませていた家族の問題こそが、全ての困難を解決する契機だったこと。最後に帰る場所は家族であると信じる公平と、最初に家族なんか捨ててきた葛城大成(石橋凌)との間の死闘は、ついには、葛城大成が唯一の家族であるカズマ(和田正人)との父子の縁を取り戻したことによって幕を閉じた。
堂島文治(平泉成)と葛城大成の巨額脱税の証拠となるデータを密かに持ち出していたカズマは、母と己を捨てた父への復讐のため、そして六本木のホストクラブ「Rink」を救うため、そのデータを利用して反撃に出ることを公平に託した。ところが、公平はそれを大成に渡した。大成とカズマの親子の絆をよみがえらせたいからだった。同じ頃、データの紛失に気付いた堂島は、裏切り者のカズマこそ犯人に相違ないと見抜いて直ぐにカズマを拘束し、救出に駆け付けた公平をも捕らえた。そこへ姿を現した大成は、既に問題のデータを東京地方検察庁特別捜査部へ提出していた。恐らくはその際に、堂島と大成自身を逮捕するための舞台として堂島の居城、新宿「ATLAS」本店を指定したのだろうし、また、堂島の逮捕のあと大成自身を逮捕する直前に、唯一の家族との和解のための面会の時間を数分間だけでも設けて欲しいと依頼してもいたのだろうと想像される。
銀座の高級クラブ「牡丹」と和風ホストクラブ「琥珀」の経営者として夜の銀座に君臨してきた葛城大成は、自らの罪を明らかにしたことで「銀座の将軍」としての地位を自ら失ったが、同時に、やがて帰るべき場所としての家族を取り戻し得た。「Rink」オーナーの園部有希(真矢みき)が「Rink」ホスト衆に説明したところによると、カズマは既に「Rink」を辞して、今や世間の信用を失ってしまった父の店「牡丹」と「琥珀」を何とか守り抜き、経営を立て直すべく尽力し、何れ大成が罪を償い、釈放された暁には、父子で一緒に店を経営してゆきたいと決意したらしい。この際、「琥珀」の元No.1ホスト、青龍(中村倫也)も復帰させればよいのに(彼は今「一応フリー」のはずだ)。
公平が去ったあとの六本木「Rink」では翔児(三浦翔平)がついにNo.1ホストに昇格。彼よりも有能だったはずの相棒の秀吉(佐藤智仁)がNo.1の地位を逃したのは、美波優奈(芦名星)との結婚話に夢中だったからだろうか。それにしても翔児は純白スーツが似合っていた。あれを見ると、No.1になるべくしてなった感がある。彼の配下でシャンパンコールを務めていた目元の派手なホスト(頼朝)は、新顔だろうが、新人にしては貫禄があった。