Q.E.D.証明終了第九話

NHK総合ドラマ8Q.E.D.証明終了」。第九話。
原作:加藤元浩。脚本:藤本有紀。音楽:海田庄吾。演出:伊勢田雅也。
今回のは学園ドラマ篇。水原可奈(高橋愛)が小学生だった頃の、夏休みの出来事をめぐる悲しい物語が明らかにされた。水原可奈自身がそれを全く記憶していなかったのは、燈馬想(中村蒼)が云うように、元気に充実した毎日を送っているからだろう。あの夏の日に撮影した写真に姿をとどめていた謎の少年二人(斉藤圭祐&桑代貴明)がそうあって欲しいと望んでいたに相違ないように。
もっとも、そのようなことを語る燈馬想は、容姿と声と口調の若さに反して、何だか水原可奈よりも遥か年上の人かと錯覚させた。いくら彼が天才とはいえ少年にあんな台詞を云わせるのは無理があるだろう。
ともあれ、遠い過去の寂しく悲しい出来事を辛うじて今に伝えようとする幾つかの謎の「宝物」をめぐって高校生たちが記憶を呼び戻そうとする少し重苦しくもある物語を、陽気に楽しく盛り上げてくれたのは「クイーン」=江成姫子(垣内彩未)、「ホームズ」=長家幸六(広瀬斗史輝)、そして「モルダー」=盛田織理(渋谷謙人)の探偵同好会三人衆だった。彼等三人衆は「探偵」としては今回も殆ど出る幕がなかったのは云うまでもないが、反面、相変わらず怖いもの知らずの大胆な行動力を発揮して、重要な証言者を他所の高校で探し出して燈馬想の前に強引に連れてきたり、悪い同級生を懲らしめたりする正義の味方としては大活躍を見せた。