RESCUE特別高度救助隊第九話=最終回

TBS系。ドラマ「RESCUE 特別高度救助隊」。第九話=最終回。
脚本:山浦雅大。音楽:羽岡佳。主題歌:KAT-TUN「RESCUE」。プロデューサー:加藤章一佐藤敦司。製作:ドリマックス・テレビジョン&TBS。演出:倉貫健二郎。
北島大地(中丸雄一)が、病院で療養中だった消防訓練センターの訓練課長、大八木誠司(山下真司)から厳しく叱責、説教された場面は、今宵のこの最終回における激動の逆転を意味あるものにする上で効果的だったのみならず不可欠でもあった。なぜなら先週の第八話における北島大地の苛立ちに満ちた苦悩の言動は殆ど狂気をさえ帯びていたからだ。指令本部長の本間雄彦(矢島健一)があれを危険思想のようなものと認定するのは無理もない。安全管理局長の真田隆正(夏八木勲[特別出演])さえもが厳しい処分を申し渡さざるを得なかったのも肯ける。
だが、冷静な本間指令本部長の言は北島の心には響きそうにもないし、警防部警防課管理官の芹沢忍(石橋凌)の抑制された温かな言でも足りない。やはり、現場をともにしてきた尊敬する隊長の徳永克己(石黒賢)の説諭に加えて、「鬼教官」の大八木課長からの叱責が必要だった。そして何よりも大八木課長が想起させてくれた今は亡き先輩隊員、命の恩人の宮崎志郎(山本耕史[友情出演])の思い。まさしく亡き人の「声」が北島大地を覚醒させたのだ。
最終回にはオールスターキャストが相応しい。発電所における大火災の現場、海藤浩之(葛山信吾)等の率いる特別高度救助隊にまで負傷者が出て十全の活動をなし得ない状況下、芹沢管理官の判断により、先に解散を命じられていた徳永隊長配下の特別高度救助隊が臨時の再結成を命じられた。もちろん、特別高度救助隊員ならぬ一般の救助隊員として現場にいた不動雅志(山本裕典)と手塚豊(増田貴久)も合流。さらに山下町救助隊の小日向剛(大東俊介)も消火の名手として勇敢に駆け付けて彼等を支援し、航空隊の井川省吾(石黒英雄)も要救助者を空へ救い上げた。全ての登場人物に見せ場があって、「生命を賭けて生命を救う」公務の重さを雄弁に訴えたと云えるだろう。熱くて見応えのある最終回だったと評しよう。