アタシんちの男子第三話
フジテレビ系。ドラマ「アタシんちの男子」。第三話。
脚本:武藤将吾。演出:佐藤源太。
大蔵家の居城トリックハート城へ訪ねてきた吉田真央(小野真弓)。大蔵家の五男の大蔵智(瀬戸康史)の高等学校の担任教諭であると自称し、また、四男の大蔵優(山本裕典)にとっては小学生時代の初恋の人であると思われるその若い女の正体は、実は教師でもなければ初恋の人でもなく単なる泥棒であると判明。そこから逮捕までの間の大乱闘は色々雑多な要素を含有して盛り沢山に展開した。優や智が自己の限界を超えるべく一歩を踏み出そうとする場(「仮面ライダーアギト」企画書が「変身」と形容するような成長の場)が次々唐突に割り込んできたり、峯田千里(堀北真希)がその女に所謂ライダーキックを見舞わせたあとも歯止めが利かないのか源義経(或いは滝沢秀明の「愛・革命」)のように何度も華麗に宙を舞っていたり。
三男の大蔵翔(向井理)は自身も乱闘に参戦しつつも一部始終を冷静に見てもいたが、次男の大蔵猛(岡田義徳)は弟二人の「変身」を惹き起こした千里の「奇跡」に感動していた。確かに優と智の踏み出した一歩は、本来なら感動的であってもよいはずの瞬間でもあったのだが、それを敢えて笑える話として置いたのは、このドラマの中では何時になく一寸よかったと思う。