木曜劇場BOSS第四話
フジテレビ系。木曜劇場「BOSS」。第四話。
脚本:林宏司。音楽:澤野弘之&和田貴史&林ゆうき。プロデュース:村瀬健&三竿玲子。制作:フジテレビドラマ制作センター。演出:光野道夫。
警視庁刑事部捜査第一課特別犯罪対策室の朝。何時ものように誰よりも早く出勤していた花形一平(溝端淳平)は、前日に同室長の大澤絵里子(天海祐希)と喧嘩した木元真実(戸田恵梨香)から「暫く出勤を拒否したい」旨の電子メイルが届いていることに気付いて、慌てながら皆にそのことを告げ、岩井善治(ケンドーコバヤシ)や山村啓輔(温水洋一)と一緒に上司の怖さについて語り合っていたところへ当の上司の大澤室長が現れた。まるで化け物でも見たかのように「出た!」と叫んだ花形に、大澤が「何が出たの?」と冷静に応じたのが妙に面白かった。
直後、大澤に宛て内線電話で連絡があり、それは実は一件の殺人事件が発生したことについての連絡であって、やがてそれは恐るべき連続殺人事件へ発展してゆくわけなのだが、そんな緊迫の瞬間にもなお、花形は木元の異変にオロオロしつつ、上司に対するその連絡を、木元の件に関する人事当局からのものに違いないと勝手に確信し、岩井は木元の物真似をすることに夢中になり、山村は、前日に仕事のため顔にペンで書いた髭がなかなか落ちないのを落とそうとして必死になっていた。
本来は科学捜査研究所の技官であるはずの木元を捜査第一課特別犯罪対策室からは外すべきことを主張する大澤に対し警察庁参事官補佐の野立信次郎(竹野内豊)は、木元を外す位ならむしろ山村あたりを解雇しておけ!と無理難題を突きつけたが、それを偶々聞いてしまった山村はそのことを花村と岩井にも伝え、自分たちに対する理不尽な解雇を回避するためには木元に出勤してもらうしかない!と結論付けて独自に行動し始めた。
吾等視聴者は彼等の脱線の一部始終を見せられている。「殺人事件の捜査の合間に、何をやっているのか!」と思わざるを得ないわけだが、三人組の中でも特に山村の捜査からの脱線と木元の失踪が、やがては殺人事件の核心に繋がっていったのには驚いた。山村は只者ではない。