スマイル第四話
TBS系。金曜ドラマ「スマイル」。第四話。
脚本:宅間孝行。音楽:山下康介。プロデューサー:瀬戸口克陽&高成麻畝子。演出:坪井敏雄。
不祥事の隠蔽のために取引先の中小企業に責任を押し付けようとする落日の大企業と、それに立ち向かおうとする中小企業の人々…という対立の構図を中心にして物語を作ることもできたのではないだろうか。そうしておけば、もう少し不快感のないドラマになり得ていたのではないだろうか。
外国人への差別という要素はドラマの主題のようでもあるが、案外それがなくとも充分ドラマが成立するのではないかとも思える。国家権力が不正を働く必要もないだろう。なぜなら法は法それ自体の理に則って正しく施行されたとしてもなお一部の人々にとって不条理なものと映る場合が充分あり得るのだからだ。大きな理が小さな不条理を生じるところにこそ悲劇が生じるのであると知るべし。
不幸な事態の連発によるドラマの盛り上げを図りたかったのであれば、例えば内館牧子が稲森いずみ主演「年下の男」で見せたような、登場人物の強さと愛嬌と、描写の細かさと暴走の徹底性と笑い所が不可欠だろう。