仮面ライダーディケイド第十六話

東映仮面ライダーディケイド」。
第十六話「警告:カブト暴走中」。脚本:古怒田健志。監督:田村直己。
今まで七つもの仮面ライダー世界を漂流してきた仮面ライダーディケイド=門矢士(井上正大)は今までのどの世界よりも今回の八つ目の「カブトの世界」に馴染みつつあるように見える。もちろん彼は今までのどの世界でも巧く立ち回ってはきたが、それは彼の抜きん出た能力に因るものだろう。だが、この世界での彼はオデン屋の娘マユ(菅野莉央)を実の妹のように愛していると見える。しかも彼には、かつて自身の本来の居場所において妹がいたのではなかったか?という記憶も微かに甦ってきたらしい。彼は自発的にオデン屋の仕事を手伝い始めていた。世界に対する彼の距離の近さ、隔たりのなさは今までにはなかったものではないだろうか。「カブトの世界」に対して彼の抱く感情には、「アギトの世界」に対して小野寺ユウスケ(村井良大)が抱いた感情に近いものがありはしないだろうか。
マユの「おにいちゃん」が、ZECT隊長として仮面ライダーザビーに変身する弟切ソウ(川岡大次郎)にあらず、むしろ彼の敵視する仮面ライダーカブトであるだろうことは誰もが予測するところだろう。弟切ソウは、隊長という役割と名前から云って矢車想徳山秀典)に近いが、あの眼帯を付けた怖そうな印象はどこか三島正人(弓削智久)をも連想させるかもしれない(でも関連を実証する要素はない)。アラタ(牧田哲也)は名前の点でも仮面ライダーガタックへの変身という点でも加賀美新佐藤智仁)に極めて近いが、今のところ加賀美新のようには重要な役割を担っていない。
このドラマにおいて特筆すべきはカブトの「おばあちゃん」(佐々木すみ江)が遂に姿を現したということだろう。かの仮面ライダーカブト=天道総司水嶋ヒロ)は常々闘いに先立ち「おばあちゃんが云っていた」という前置きとともに己の信念を表明していたが、当の「おばあちゃん」とは実にこのような人だったに相違ない。
ところで。今宵は読書に夢中になり過ぎて「侍戦隊シンケンジャー」を未だ見てはいない。疲れているし眠いので明日にでも見ることにしよう。