映画公開記念ごくせん特番

日本テレビ系。「映画公開記念!ごくせん特番7年間の歴史すべて見せますSP!!」。途中から見た。できれば録画しておきたかったが、今宵はNHK衛星第二放送で月に一度の特別番組「日めくりタイムトラベル」の放送日。それを録画していたので、これを録画できなかったのは残念。
二〇〇二年四月期放送の水曜ドラマ「ごくせん」、二〇〇五年一月期放送の土曜ドラマ「ごくせん」(別名「ごくせん2005」)、二〇〇八年四月期放送の土曜ドラマ「ごくせん」(別名「ごくせん2008」)の総集編を、今日から劇場公開されたらしい映画「ごくせん THE MOVIE」の出演者たち皆で見るという番組で、過去の「ごくせん」の主要な出演者へのインタヴュウもあった。
過去の生徒役の人々の、当時の映像と現在の姿とを比較することができたわけだが、二〇〇二年の出演者たちが、松本潤小栗旬も皆それぞれ貫禄を増した中で、最も変化の大きいのは成宮寛貴。乙女からアネゴへの変貌とでも形容すべきか。当時の彼は(敢えて云うが)本当に可憐だった。
今こうして改めて見て、二〇〇二年の「ごくせん」は総集編で見てもやはり見応えがあると感じる。話が変化に富んでいるし、不良生徒たちの人物像にも屈折した深みがある。あの問題児たちも意外に彼等なりには必死に生きているのだと感じさせるだけの説得力があるし、対するヤンクミ先生(仲間由紀恵)も生徒たちと必死に格闘しているのだということが確と伝わってくる。
それに比較すると「ごくせん2005」は、放送された当時は本当に間違いなく楽しかったはずだが、今宵の総集編で見る限り、今一つ面白くないような気がする。総集編の作り方にも少々問題があったのかもしれない。小田切竜(亀梨和也)の話である第一話ばかりをやたら丁寧に取り上げた割には、他は軽く流されてしまったからだ。とはいえ二〇〇二年「ごくせん」の総集編も似たような作り方ではあったから、やはり話の密度が足りなかったということか。でも「ごくせん2005」には話の密度の不足を補って余りある勢いと熱気が満ちていたのは間違いない。「ごくせん2008」には勢いさえもなかった。
ともあれ、テレヴィドラマ「ごくせん」の映像を見る楽しみが、脇役の生徒役や悪役で出演している気に入りの若手俳優たちの姿を発見することにあるのは云うまでもない。
例えば「ごくせん2005」に川田優一役で出演していた中村優一については、当時テレヴィ雑誌で、高視聴率で絶賛放送中の「ごくせん」の生徒役を紹介する特集記事で初めて見たときから(船木健吾役の高良健吾等とともに)心惹かれていて、ゆえに放送中も彼の姿をなるべく見出そうとはしていたはずだが、当時は彼を(高良健吾が坊主頭で目立っていたのとは対照的に)殆ど見出せなかったかと記憶する。彼の容姿の特徴を未だ掴めていなかったからだろうか。ところが、その数ヶ月後「仮面ライダー響鬼」に彼が出演し、毎週それを見たおかげで彼の容姿を把握できたのか、同年十一月に待望の「ごくせん2005」DVD-BOXが発売されたのを早速購入して見直したところ、実は彼は頻繁に、矢吹隼人(赤西仁)や小田切竜の近くに映りこんでいて、思いのほか目立つ位置にいたことに気付かされたものだった。二〇〇二年「ごくせん」生徒役の森本亮治冨田翔が明かしたように「ごくせん」三年D組の脇役の生徒たちは少しでも目立つ位置に立ちたいと考えて日々熾烈な競争を繰り広げていたらしく、撮影現場は云わば、売り出し中の俳優たちの生き残りをかけた過酷な戦場だったとか。そう考えると、主役級の生徒役の近くの位置を幾度も占拠することに成功していた中村優一は意外に凄いのかもしれない。彼のこの奮闘振りは今宵の総集編のわずかな映像によっても窺うことができたと云えるだろう。
他方、「ごくせん2008」では主に、真山明大矢崎広と戸谷公人の三人に目を付けていたのだが、第一話の時点で最も目立っていたのは三人中では戸谷公人だった。当時の吾が日記にもそう書いてある。そして彼は今、「仮面ライダーディケイド」で通りすがりの御宝マニアのコソドロ、ディエンドこと海東大樹を演じて目立っているが、今宵のこの総集編で見ても、彼は常に目立つ位置にいた。当時から既に「ハンター」だったのだ。