酒井法子容疑者

夜七時から宝塚愛好氏とともに一番町の烏賊料理店で夕食。深夜十一時に散会。徒歩で道後へ帰った。金曜ドラマオルトロスの犬」第三話を見ることはできなかったが、録画してはいるので余裕があるときに見るだろう。
ところで。
昼十二時の、職場における休憩時間、酒井法子容疑者に対する逮捕状が出たとのニュースを知った。この「酒井法子容疑者」という語には一瞬は驚いたものの、驚きよりはむしろ「やはり、そうだったか」と納得できた面の方が大きかったかもしれない。
実のところ、昨日も書いたように、“夫の自称サーファーの高相祐一容疑者が覚醒剤取締法違反で逮捕されること”と“直後に妻が失踪すること”との間には、時間上の前後関係から考えて関連があるだろうことは推察されるにしても、内容から考えるなら、一つの隠れた真相を想定しない限り、どうにも因果的な繋がりが見出せない。両項目を結び付けるためには、“実は妻も同罪である”という真相を想定するほかない。酒井法子容疑者が一緒に連れ回していると考えられていた十歳の長男は、警察側から見れば云わば人質のようなものであり、人質を無事保護するまでは思うようには動き得なかったわけなのだろうと解される。
各種報道における芸能人の「容疑者」呼ばわりに関して、想起されるのは本年四月二十三日の草ナギ剛逮捕の一件だ。あのときのニュースには二重の意味で驚かされた。(一)草ナギ剛が「容疑者」と呼ばれたことそれ自体にも驚かされたが、(二)彼の容疑が、泥酔して深夜の公園で全裸になって騒いでいたことに対して掛けられたという事実にも驚かされたのだ。一つ目の驚きは事実それ自体の形式的な意外性に因るものであり、他方、二つ目の驚きは事実の内容として、問題となっている事件が常識的に見て罪とか悪とか云う程のこともなく、どこまでも間抜けで(その意味では草ナギ剛に相応しいとも云える)笑い話にしかなりようもない事件でしかないことに因るものだ。実際あれは冗談みたいな事件であり、あんなもの笑い話でしかない。
しかし、今回の酒井法子容疑者の事件はそうではない。笑い話にはなり得ない。強いて云えば、驚くのを通り越して、もはや笑うしかない!という面はあるかもしれない。
失踪ならぬ逃亡への出発にあたり酒井法子容疑者が大きな荷物を携えていたことが目撃されていたとか、道中、旅行用の安価な下着や化粧品を大量に買い込んでいたとか、軍資金として数十万円を銀行預金から下ろしていたとか、長男を預けていた「知人」(と報道されていた人物)というのが実は夫の不倫相手の女だったとか、八歳下の実弟酒井健容疑者三十歳も先月中旬に(姉と同じく!)覚醒剤取締法違反で逮捕済みで、しかも暴力団員だったとか、色々追加情報を知る毎に一つの真実が浮かび上がってこよう。事件の本丸は、いかにも頭の悪そうな自称サーファーなんかではなく、往年の人気アイドル「マンモスのりP」こと酒井法子容疑者に他ならぬという真実が。本件が指し示しつつある闇の深さには恐れおののかざるを得ないが、こんなにも恐るべき悪事を働いていた稀代の悪女が「いただきマンモス」とか「マンモスうれP」とかの所謂「のりP」語を発してアイドルを演じていた史実には、やはり恐れおののくのを通り越して笑うしかない。マンモス薬P事件と云うべし。