新番組=アンタッチャブル第一話

今宵からの新番組。
テレビ朝日系。ドラマ「アンタッチャブル事件記者・鳴海遼子」。
脚本:橋本裕志。音楽:井筒昭雄。制作協力:5年D組。制作:ABC朝日放送テレビ朝日。演出:下山天。第一話。
面白く見ることができた。怪事件の謎に迫る仲間由紀恵主演ドラマ!といえば「トリック」を想起せざるを得ないが、「トリック」に比較すると、やや重い。少なくとも軽やかではない。「トリック」程にはフザケていないので笑い所が少ないことに加えて、次々に起きる怪事件が実は必ずしも奇想天外な超常現象の類ではなく、現実にも決して起こり得ないわけではないこと、換言すれば、主人公の前にたちはだかる敵が現実にも存在する強大なカルト教団や慈善団体、報道機関の闇の部分であることも、この重さの原因だろう。
手品の知識も本物の霊能力もない三流週刊誌「アンタッチャブル」記者の鳴海遼子(仲間由紀恵)には、かの上田次郎阿部寛)のような力自慢の物理学者が一緒にいてくれるわけではない。いるのは「アンタッチャブル」カメラマンの鷹藤俊一(佐藤智仁)。男前の確り者だが、闇組織の前では普通の人間でしかない。超人=上田教授とは違う。
その代わり、兄の鳴海洸至(小澤征悦)は警視庁公安部の刑事で、かなり力強い。上田教授に警視庁公安部刑事の矢部謙三生瀬勝久)を足した位の働きをしてくれる。なにしろ一般市民の知り得ない重要な情報も提供してくれるし、危機のときには警察を率いて助けに来てくれる。だが、見ようによっては、彼の情報提供や助言こそが妹を謎の闇へ向かわせ、危機にまで陥らせているようでもある。「アンタッチャブル」編集部に届く怪文書の差出人「名無しの権兵衛」だけではなく兄もまた、鳴海遼子を操っているのではないか?との疑惑が浮上し得よう。
今回は巨大カルト教団「ひので教団」の教祖代理の役で篠井英介が出演していたが、次回以降は逃げ足の速いスリット美香子の高橋ひとみ、駄洒落を云う福澤教授の大和田伸也の顔が見えた。
一流週刊誌「国民ジャーナル」記者の遠山史朗(要潤)の役割は今のところ判らない。今のところ推察されるのは、鳴海遼子のストーキングの相手が恐らくは彼であるだろうこと位か。
カメラマン鷹藤俊一役の佐藤智仁は、「ごくせん2005」ではヤンクミ先生=仲間由紀恵の教室の生徒の一人だった。「ごくせん2008」の生徒の一人を演じた三浦春馬仲間由紀恵の子どもにしか見えないし、NHK大河ドラマ功名が辻」では実際に親子を演じていたわけだが、佐藤智仁仲間由紀恵だと同僚らしく見える。名コンビになって欲しいと期待しながら見てゆこう。