ヤマトナデシコ七変化第二話

TBS系。金曜ドラマヤマトナデシコ七変化」。第二話。
やはりオープニング主題歌(KAT-TUN「Love yourself 君が嫌いな君が好き」)に合わせて登場人物五名が踊っているところは妙に面白い。あれの何が面白いか?と考えるなら、一つには、白い盛装の高野恭平(亀梨和也)と遠山雪之丞(手越祐也)と織田武長(内博貴)と森井蘭丸(宮尾俊太郎)が思い切り気取って踊っているときに、その中心で中原スナコ(大政絢)が、黒マントに全身を包み隠したままコウモリのように鴉のように不気味に踊っているのがよいのだろう。高級感が微塵もない点も面白さを増幅する。
毒キノコならぬ御姫様キノコの毒を解いて、記憶と精神を元に戻してやるためには王子様のキスが必要…という仮説を信じて、高野恭平が中原スナコにキスをした場面の外しようは実によかった。毒は解けず記憶も精神も元には戻らなかった上、皆からは呆れられ、「何、自分が王子だって決め付けてんだよ」とか「スナコちゃんが恭平のこと好きなわけないじゃん」とか散々責められた挙句、中原スナコにとってのこの初のキスが実は高野恭平にとっても初のキスだったことが発覚した。キス場面が最悪の場面になったのだ。
高野恭平は絶世の美貌のゆえに周囲から狙われて様々な事件に見舞われてきた暗い過去があると説明されているが、反面、現在このドラマに出てくる主な登場人物は全然そのようには彼を見ていない。同じ大学に通う笠原乃依(神戸蘭子)は織田武長に夢中で彼には全く興味を持たないし、彼の行き付けの喫茶店「迷宮入り」の店主(大杉漣)は彼を客とも思わず何時も直ぐ追い出そうとするし、挙句の果てには今回の自称王子様の事件。
このドラマの演出家は、女子を描くことに関心を集中させているのだろうか。男子よりも女子を面白く描き得ている気がする。コウモリ姿の中原スナコだけではなく、高野恭平を標的にしているストーカーまり(星野亜希)率いる「アラサー」四人衆でさえも、悪役でありながら愛嬌がある。あの四人衆は、何と云うか、男子アイドルの熱心なファンの戯画のように見えた。まりの室内は高野恭平のポスターや抱き枕をはじめ各種グッズで埋め尽くされていたが、中には男子アイドル応援には欠かせないらしい応援用ウチワまで拵えていたではないか。(だが、昨夜インターネット上で探して見つけ出した動画で漸く見た昨年放送の「百識王」ボディビル篇では、ボディビル大会の会場における応援団もジャニーズのファンの如く選手名を書いたウチワを持っていて、それを見た百識団員の藤ヶ谷太輔等ジャニーズJr.も驚いていた。)

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