ヤマトナデシコ七変化第九話

TBS系。金曜ドラマヤマトナデシコ七変化」。第九話。
原作:はやかわともこ。脚本:篠崎絵里子。演出:川嶋龍太郎。
最終話を前にした一話。先週の話を支配した重苦しい事件を引き受けてそれを解決すると同時にそこから新たな事件を創造して次週へ解決を委ねた。先週からの帰結であると同時に次週への起爆でもあるのは、中原スナコ(大政絢)があの鴉のような黒マントを高野恭平(亀梨和也)に手渡したところにある。高野家の抱える難問を解決するためには、彼の「眩しい」姿に過去の恐ろしい出来事の記憶を結び付けてしまっている彼の母の高野亜紀(麻生祐未)のため、その姿を黒装束の下に包み隠して影と化して、落ち着かせて語り合うしかない。中原スナコはそう考えて自身の衣装を彼に着るよう提案したのだ。中原スナコの鴉のようなコウモリのような不気味な黒マント姿を「ブスナコ」と罵倒し続けてきた彼が自らその「ブスナコ」の姿と化して自身の抱える難問に向き合ったあの一場面は、実にこの物語の要をなすものであると云えるだろう。そして彼の再生と引き換えに中原スナコは立ち去った。
同居人衆にも一応ドラマあり。森井蘭丸(宮尾俊太郎)も菊乃井珠緒(浅見れいな)に愛を誓い、織田武長(内博貴)は笠原乃依(神戸蘭子)から改めて愛を告白された。両名にもそれぞれの結末がありそうだが、遠山雪之丞(手越祐也)は、果たして遠距離恋愛中のまちこ(本仮屋ユイカ)と再会するのだろうか。二〇〇五年放送NHK朝の連続テレビ小説「ファイト」本仮屋ユイカ三浦春馬の友人を演じた垣内彩未と手越祐也が似ているので、雪之丞&まちこは恋人よりは友人に見える。
今宵この番組の放送後、四月二十三日から始まるこの時間帯の新番組「ヤンキー君とメガネちゃん」の宣伝があり、成宮寛貴仲里依紗と一緒に衣装選びをしていた。未だ撮影が始まってもいないかのような感じで、なかなか興味深かった。