ヤマトナデシコ七変化第十話=最終回

TBS系。金曜ドラマヤマトナデシコ七変化」。第十話=最終回。
原作:はやかわともこ。脚本:篠崎絵里子。演出:石井康晴
中原スナコ(大政絢)不在の城に、普段のような豪勢な夕食を拵える者は不在。城内の食堂で高野恭平(亀梨和也)と遠山雪之丞(手越祐也)と織田武長(内博貴)と森井蘭丸(宮尾俊太郎)が侘しく囲んでいた地味な料理は果たして何だったろうか。一杯のラーメンを、まるで鍋料理か何かのように、四人で取り分け合っていたのだろうか。食卓の周囲の椅子を退けて床に直に座し、まるで炬燵に向かっているかのような雰囲気を出していたのも、あの場面の侘しさを盛り上げていたと云えるだろう。
そして後半の、人身売買ファッションショー事件の件。アフリカで企業を営んでいる中原スナコの父の使者として来日したグレッグ(ダンテ・カーヴァー)が急に事件の首謀者として現れた時点で、この事件を仕組んだ真の首謀者が中原美音(高島礼子)であること、その狙いが高野恭平や中原スナコや織田武長を恋に目覚めさせることにあることは自明だった。遠山雪之丞もこの企ての一味であることは途中から明らかだったが、どうして彼だけは騙される側である必要がなかったのだろうか?と考えるなら、騙す側の役者が一人は必要だったからという事情に加えて、やはり彼だけは既に恋の問題を解決済みだったからであるとでも解すべきだろうか。