テストの花道&寄り道第十二回

NHK教育の、受験生のための(そして大人にも為になる)番組「テストの花道」(及び関連番組「テストの寄り道」)。先月十九日の土曜日の朝九時二十五分から再放送(及び九時五十五分から放送)された第十二回を録画しておいたのを見た。
今回の課題は「類推する」。類推するという行為は、記憶にも推理にも、その表現にも欠かせない能力であり、一見あたかも論理というものには相反するかのような飛躍の能力であるにもかかわらず、論理を成り立たせるために不可欠の契機であると云うことができる。司会(「勉強部長」)の城島茂は、いかにも城島茂らしく、類推を「頭の中の宝探し」と形容した。
しかるに今回この番組の素晴らしかったところは、類推することを通して「構造に迫る」ことをも要求してみせたことにある。論理性、さらには真理性というものは複数の命題の関連付けの仕方において生じるものである以上、類比性の発見は構造性の発見に他ならない。この番組は、大学入学試験のための技術を伝授することを通してそれをはるかに超えた思考の技法をも伝えるかのようなところがあって、そこが面白い。そして真田佑馬の意外な頭のよさには毎回のように驚かされる。