ホタルノヒカリ2第十一話=最終回

日本テレビ系。水曜ドラマ「ホタルノヒカリ2」。第十一話=最終回。
米国ニューヨークへ旅立つ瀬乃和馬(向井理)が、見送りに来た雨宮蛍(綾瀬はるか)と「部長」高野誠一(藤木直人)を前に、「オレじゃなかったら、いや、部長じゃなかったら、雨宮を受け止められない」と述べた。彼が自ら打ち消した「オレじゃなかったら」とはどういうことか。多分、「オレじゃなかったら、強引に奪っていた」とか「襲っていた」とか云いかけたのだろう。それは彼自身の本心の欲望でもあることが明白だ。だからそれを敢えて云わなかったのは彼自身の慎みによるものでもあるが、同時に、高野誠一を徒に心配させないための配慮でもあるだろう。
雨宮蛍が「ステキ」な主婦を目指すのをやめて今後とも「干物女」であり続けることを選んだのは、今までの物語からの必然の帰結だった。「干物女」とは外の職場で一所懸命に寸分の隙もなく完璧に働いて、内では思い切り怠惰に過ごすことの意であるとすれば、従来の大概の働く男はそういうものだったと解することができる。そういう女がいたとしても何ら不自然ではない。とはいえ従来型の干物男は結婚して初めて存在できていたわけで、独身であり続ける限りは、むしろ家事全般を自ら(その能力と余力に応じて)こなすようになるものだろう。雨宮蛍もそうなっても不自然ではないわけで、高野誠一の台湾出張の間、留守を守っていた雨宮蛍の几帳面な生活はその意味において独身「干物女」としての正常化に他ならないだろう。