仮面ライダーオーズ第七話

東映仮面ライダーオーズ/OOO」。
第七話「ダメ亭主と罠と大当たり」。
色々あった見所の中から三つを挙げよう。
(1)火野映司(渡部秀)には侍の格好が似合っていた。彼は白石知世子(甲斐まり恵)の経営する奇妙な多国籍料理店で、泉比奈(高田里穂)が専門学校の試験期間に付き店の仕事を休んでいた間、その代理として雇われていたのだが、泉比奈が店に復帰した当日、店では日本料理の特集をしていて、白石知世子店長は忍者の格好、火野映司は侍の格好をして接客につとめていたのだ。普段の、メキシコ風の楽そうな恰好と柔らかな髪型は彼の姿を緩やかに見せて、彼の恬淡の生活によく合っていて味わい深いが、このときの侍の格好は彼の姿勢と体型のよさを強調して見せた。
(2)火野映司は自身の現状について「仕事もしないでフラフラして」いると批判されても仕方ないと自覚していて、そして多少の後ろめたさも感じないわけではないらしい。彼は白石知世子店長の友人が夫婦喧嘩をしているのを止めようとした際、妻が夫に「仕事もしないでフラフラして」と文句を云ったのをあたかも自分自身に対して向けられた非難であるかのように勘違いして、思わず謝ってしまっていた。
(3)鴻上財団の隊長、後藤慎太郎(君嶋麻耶)は大きなケーキに顔を埋めてクリームで顔を真白にしてしまった。
そのケーキはもちろん鴻上光生(宇梶剛士)から仮面ライダーオーズ=火野映司への贈物。しかもケーキの上には赤いコアメダルが添えられていた。後藤慎太郎隊長は、仮面ライダーオーズがアンクの支配下にあることを問題視し、大切なコアメダルをグリードの一員に渡すことになるのを警戒して、今回の贈物には反対していた。「世界の平和」という高い目標を実現するために警察を退官して鴻上財団バイク隊に入隊した彼にとって、世界の平和を蹂躙するグリードの一員にコアメダルを明け渡すようなことは断じて受け容れ難い話だった。ゆえに彼は仮面ライダーオーズとヤミーとの戦闘の現場に来てもなお、それを渡すべきかどうか悩み、悩んだ末に渡すのを止めようかと思った瞬間に、攻撃を受けた仮面ライダーオーズに打つかってケーキを落としてしまい、しかもそのケーキの上に自身も倒れ込んで、結果、バカ殿のような顔になってしまったのだ。